28歳でマサチューセッツ工科大学(MIT)の助教、32歳で東京大学特任准教授、33歳で東京芸術大学デザイン科准教授に就任……とキラッキラな人生を歩んでいるかに見える、アーティストのスプツニ子!さん。「20~30代の働く女性同士、共有したいことがいっぱいある!」とのこと。さあ、スプツニ子!さんのお部屋へようこそ。ゆっくりお話ししましょ。

代表を務める会社「クレードル」が本格始動

この約1年で、公私ともに大きな変化を経験しているスプツニ子!さん
この約1年で、公私ともに大きな変化を経験しているスプツニ子!さん

 皆さん、お久しぶりです! 私は昨年(2021年)秋に出産し、今、子どもが生後6カ月を迎えたところです。私やパートナーがそばにいないとギャン泣きしてしまって、疲れがたまることもありますが、日々楽しく過ごしています。

 さて、今日は皆さんにもう一つ発表があります。この連載開始ごろから取り組んできた会社の事業内容を、詳しく話せるタイミングが来ました。まずは社名から紹介しますね。「クレードル」、英語で「ゆりかご」という意味です。

 今、日本企業ではD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進の動きが活発になっていますよね。クレードルはそうしたD&Iを推進中の企業を支援するためのサービスを提供します。

 「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」や「構造的差別」、「平等と公平の違い」など、D&Iを進める上で必要なさまざまな知識を学ぶセミナーをオンラインで毎月開催し、アーカイブ動画で学べるようにします。

 女性リーダーを増やす施策を進めることも大事である一方、女性社員一人ひとりの視点に立つと、女性は「自分の体」と真摯に向き合わなければいけない時期があると思います。私自身、キャリアと出産タイミングに悩む中で卵子凍結を決断しましたし、働きながらの妊娠・出産も経験しました。

 さらに日常的な話をすると、毎月の月経前後に不調になり、仕事に影響が出てしまう人もいます。また、doors世代はまだあまり経験していないと思いますが、将来には更年期という課題も待っています。

 女性が安心してキャリアを構築するためには、そうした「女性の体のケア」を「個々人が解決する問題」として本人任せにするのではなく、企業がもっと女性社員の体に関する適切な知識やサポートを提供して、女性社員が体のケアを受けやすい環境をつくることが大事だと考えています。