新型コロナウイルスの感染防止でテレワークが緊急導入されている今こそ、テレワーク歴が長い人の知恵に学びましょう。以前から自宅で仕事をすることが多かったスプツニ子!さんは「コロナが収束しても、テレワークは日本の会社に根付けばいい」と言います。その理由を聞きました。

「リモートでも、割と仕事ってできる」ってみんな気付いたよね

Zoom画面に映るスプツニ子!さん
Zoom画面に映るスプツニ子!さん

 新型コロナウイルスの感染が世界中に広まっています。死亡者数24万人以上、感染者数359万人以上です(WHOのデータ、2020年5月6日時点)。経済に与える影響も計り知れず、これは本当に悲惨な状況ですし、早くワクチンが開発されることを願ってやみません。

 感染予防対策の一環で、これまで毎日会社に通勤をしていた皆さんの生活に及ぼした最大の変化は、自宅でテレワークをするようになったことですよね。皆さんの中にも、初めてのテレワークを経験されている方がいるかもしれません。

 リモートでミーティングをしたり、オンラインで飲み会までやったりして、リモートでも仕事って割とできるな、ということにみんな気付いていませんか?

 私自身は、新型コロナウイルスが出る前から、なるべくミーティングを「コール」(リモートのこと)にしてきました。

 日本では「リモートでは失礼なので、ぜひ対面で挨拶させてください」という方が非常に多かったのですが、私はマネジャーに「できる限りコールにしてもらってください」と言ってきました。

 例えば「新しいテレビ番組の出演に向けてご挨拶を!」とか、「講演をお願いするに当たって、一度お会いして趣旨をご説明したい」みたいな理由で、面会が決まったとします。すると、1回のテレビ番組や講演って大体1時間ぐらいなのに、事前に話すための移動に1時間弱かかって、1時間ミーティングして、また1時間弱掛けて戻る。トータルで約3時間。「これって本番の時間より長くない!?」って思っちゃって。そこまで時間をかけさせるのは、相手にも申し訳なくって。

 それに、会ってあいさつしても、そんなに大したことは話さないことがほとんどです。私一人のために、先方からの出席者が7~8人ぐらい集まることもあって、「こんな無駄なことってある?」ってよく思ってました。リアルで会って1時間だらだらと話すより、リモートで15分で終わらせたほうがずっと効率がいいし、私はそれで十分。だから私はそんな無駄を避けたくて、「なるべくコールでお願いする」というポリシーを貫いていました。

 以前勤めていたMIT(米マサチューセッツ工科大学)だと、教授会にコールで参加できました。教授たちはみんな出張が多いので、コールOKにしないと開催が難しかったんです。でも、日本の大学だと話が変わってしまいます。