28歳でマサチューセッツ工科大学(MIT)の助教、32歳で東京大学特任准教授、33歳で東京芸術大学デザイン科准教授に就任……とキラッキラな人生を歩んでいるかに見える、アーティストのスプツニ子!さん。「20~30代の働く女性同士、共有したいことがいっぱいある!」とのこと。さあ、スプツニ子!さんのお部屋へようこそ。ゆっくりお話ししましょ。

デジタル空間に滞在する時間は長くなるばかり

 NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を使って、デジタルアートやメタバース(インターネット上の仮想空間)上の土地などの所有を証明できるようになった、と以前の記事でもお伝えしました(「スプツニ子!Web3、NFT…次なる革命見逃さないで」「スプツニ子!『NFTを1点買ってみる』から始まる世界」)。

 新型コロナウイルスの流行を境に、仕事のミーティングなどもオンラインで行われることが増え、私たちがデジタル空間に滞在する時間は長くなるばかりです。しかし、デジタルの空間で過ごす時間がどんどん増えているのに、こと資産の「所有」に関していうと、これまではデジタル空間で価値のあるものを所有する対象は暗号通貨(仮想通貨)などにほぼ限られていました。リアルの世界で車や家、時計、服などを所有して売買できても、デジタルの世界で所有できる資産は、これまではあるようでほとんどなかったのです。

 Web2時代に登場したInstagramやTwitterなどのSNSプラットフォームにおけるフォロワー数、Facebookやアメブロに投稿した記事などは、一見すると自分が所有する「資産」のようにも思えますが、これらはすべてプラットフォームに依存するものでした。

 しかし、インターネットが浸透し、人々がこれだけデジタル空間に滞在する時間が増えると、デジタル空間内で価値を所有する方法がないことの不自然さに気づく人もちらほら出てきました。