「美人だから大学の先生だと思わなかった」が褒め言葉?

 残念ながら男尊女卑は、今の日本の「家」の中にも「会社」の中にもまだまだ潜んでいます。私は特に会社組織の中で男尊女卑のヒエラルキーを感じることが多いです。これまで男性の社員や役員の多い会社で講演をしてきましたが、彼らが女性社員を小馬鹿にしている印象を受けたことが多くあります。アメリカには会社の役員が白人男性ばかりだと恥ずかしいという文化ができあがりましたが、日本にはそういった感覚がまだ全然なくて、役員がほぼ男性でも全然気にしていない。20人以上の会議に女性が1~2人だけという現状でも、危機感がない。

 ここだけの話ですが、私、日本の大企業のおじさんに言われた「失言」をいっぱい覚えています。とある大企業の役職付きの男性が私に会いにMITまで来てくれました。その目的が、「商品開発に生かすために女性ならではの視点を聞かせてほしい」というもの。別に問題ないかなと思って面会したのですが、実際に話を聞いてみて面食らいました。その方が「原始時代から獲物を捕りに狩りに行くのは男性で、女性は男性に『その獲物をちょうだい』と言ってもらってきた存在。だから、男女の視点は違うんだ」と言い出したんです。「何言ってんの? 私のほうがあなたよりずっと狩りをしてると思うけど」って、とっさに言いそうになりました(言えばよかった……)。

 ほかにも同じくMITに会いに来た大企業のやはり役付きの男性との会食で、「スプツニ子!さんは美人だから、こんなに頭が良くて大学の先生をされてると思っていませんでしたよ~!」って言われたんです。周りのおじさん社員たちも、これが褒め言葉だと思ってニコニコしていました。「その発言、褒めてるつもりでも全然ダメです!」って笑顔で返しましたが、私の助言の意味が分かってもらえたかどうかは分からないです。

 さて、2019年10月からの日本の新内閣のIT大臣は78歳で、私の父親より年上という驚くべき現実ですが……。きっと多くの日本の大企業でも、似たようなことが起きているんじゃないかと思います。大企業って、大きいし財力もあるように見えるかもしれないけれど、今の時代、新しいベンチャーやIT企業のほうが圧倒的に力を身に付け始めています。そうした企業のほうが社員が若く、時代を理解していて、動きが速い。