「アイデンティティーの法則」を使った内省で自分を知る

 次に挙げる38の項目は、マクスウェル氏が考案した人間の価値観(アイデンティティー)です。この項目を使って、下記の手順で内省をします。

1.38項目の中から、あなたが大切にしている価値観6つに◯をつけてください。

2.◯をつけた6つの価値観の中から、特に大切なもの3つに◯をつけてください。

3.◯をつけた3つの価値観の中から、特に大切なもの2つに◯をつけてください。

4.2つのうちどちらがより大切かを考え、ナンバーワンを決めてください。

38のアイデンティティー

1.責任(行動と結果に責任を持つ)
2.達成(最高水準を目指す)
3.権力(意思決定、人事等についての権力を持つ)
4.平衡(仕事、家庭、趣味のバランスを取る)
5.変化(変化を好む、改善のための違った手法を試す)
6.コミット(仕事などに対して、気持ちも思考も一致している)
7.能力(スキル、必要な力がある)
8.勇気(居心地のいい場所から抜け出す勇気)
9.創造力(新しい方法を考え、目標達成する)
10.顧客満足(高い顧客満足度を目指す)
11.多様性(多様な文化を受け入れる)
12.効果的(結果を得るための実行力)
13.効率(無駄なく、効率的に結果を出す)
14.公正(公平に人を扱う)
15.信念/宗教(信仰するもの)
16.家庭(家族といる時間、その質と量)
17.健康(心身の健康)
18.楽しみ(ユーモア、笑うこと)
19.成長(自分の成長に投資する)
20.正直さ(嘘をつかないこと)
21.独立(他者の影響や指示を受けない)
22.誠実/高潔(どんな状況でもブレない自分)
23.知識(経験や学習を通して専門性を高める)
24.レガシー=遺すもの(将来を考えた今日の変化)
25.忠誠(人、仕事、文化などへの忠誠)
26.金銭/財産(物質的な豊かさ)
27.情熱(ワクワクする気持ち、やる気)
28.完璧(ミスのないことを目指す)
29.クオリティー(素晴らしいクオリティー)
30.表彰(表彰されること)
31.シンプル(簡単に、無駄を省くことを追求)
32.地位(役職、ステイタス)
33.形式(きちんとしていること)
34.チームワーク(グループ、チームで一致団結すること)
35.信用(人からの信頼度、高潔さ)
36.緊急(すばやい行動)
37.奉仕(NPO、ボランティアなどでの奉仕)
38.智恵(正しい判断のための深い理解)

 大切にしている価値観を絞り込んでいくという単純な方法ですが、「アイデンティティーの法則」を使って内省をすると、自分の中で優先順位を決めることができます。ひいては、これがまず内省のファーストステップである「自分を知る」「なりたい自分の姿を定める」ということなのです。

 私自身も折に触れてこの手法を実践し、自分を見つめ直しています。そしてその方向性に沿った目標や年間スケジュールを立て、実現させてきました。その結果、転職によるステップアップがかない、現在は社長として約120人の社員を束ねています。