「内省」は繰り返すことに意味がある
価値観をひとつに絞り込む、と聞くと、一生変わらない自分の核を決めるというイメージを持つかもしれません。しかし、価値観は自分が成長するにつれて変わるもの。たった数年でも経験値は変わってくるからです。
例えば私は大学時代、プロテニスプレーヤーを目指していました。しかし就職活動時に親からアドバイスを受けて公務員試験を受験。消防士になり、ハイパーレスキュー隊員として危険な状況下で人命の救助にあたりました。隊員引退後は外資系大手生命保険会社でトップセールスマンになり、現在は独立して保険代理店を経営しています。当然、プロテニスプレーヤーとして世界で活躍したいと考えていた頃と現在では、価値観が大きく異なります。
自分自身が変化についていけず、「価値観がブレてしまう」「自分には信念がない」と嘆く人もいます。しかし、経験やライフステージによって価値観が変わるのは自然なこと。だからこそ定期的に「内省」の時間を持つことが必要なのです。
まずは「アイデンティティーの法則」で現在の自分の価値観を確認してみてください。そして数カ月おきに自身の価値観を振り返り、変化を受け入れる。すると、柔軟に成長している自分の姿が見えるようになり、その成長度合いを実感できるはずです。
そして見えてきた自分のアイデンティティーを反映させた目標を立て、その実現のための方法、戦略を考えていきます。これについては次回、お話ししたいと思います。
●まずは38のアイデンティティーの項目に沿って自身が最も大切にしている価値観を絞り込もう
●定期的に「内省」を繰り返し、自身の価値観の変化を受け入れることで、成長を実感できるようになる
Gift Your Life代表取締役
取材・文/華井由利奈