インナーボイスこそがリーダーを挑戦に向かわせる

 「アクティブ・ノンアクション」にはモメンタム(慣性力)があって、一度その中にからめ捕られてしまうと加速度がつき、そのまま走り続けてしまいます。意識して立ち止まらなければ、「不毛な多忙」に人生の大切な時間が奪われていることに気づくことすら難しい。冒頭のように、「できるビジネスパーソン」だと周囲から一目置かれている人ほど、実は「アクティブ・ノンアクション」のわなにはまっている可能性があることを意識する必要があります。

 では、どうしたら「不毛な多忙」の状態から脱却できるのでしょうか。

 それには、毎日矢のように過ぎていく時間の流れから、いったん自分を切り離し、「自分にとって本当に大切なことは何か?」を考える「内省」の時間を持つことが必要になります。これは現代の、特に20~30代のビジネスパーソンにとって非常に重要なことだと感じています。

 私が長年取り組んでいる「リーダーシップ」の領域においても、「内省」が重要だということは、この20年間で世界のスタンダードの考えになりつつあります。リーダーは「何のために、誰のために、その挑戦に立ち向かうのか」「それは自分にとってどんな意味を持つのか」を常に自分自身に深く問いかけることが必要です。その「内省」による気づき、「内なる声(インナーボイス)」が、リーダーを挑戦へと突き動かし、つらいときにも自分を支えるアンカー(いかり)になるのです

 リーダーを目指す、目指さないは別にしても、前述したような「不毛な多忙」に流されてしまいがちな私たち一人ひとりにとって、「一度しかない人生を、自分はどういう生き方をしたいのだろう?」「自分は誰のために、何のために、何をしたいのだろう?」ということを自分自身に問いかける「内省」を定期的に行うことは、人生をより豊かに、自分らしく生きていくためにとても重要であり、有効な方法であると私は思います。