内的キャリア(やりがい、働きがい)重視のカウンセリングを得意とし、長期キャリアのアドバイスに定評のあるキャリア・カウンセラーの錦戸かおりさんに、「転職する、しないに関わらず、いつでも転職できる人材でいること」の大切さについて教えてもらいます。
日経doorsアカデミー 転職・適職指南 自分の育て方、キャリアの作り方
日経doorsアカデミー 転職・適職指南 自分の育て方、キャリアの作り方
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1転職したいときに転職できる自分になるために
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2「内的キャリア」に意識を向け、適性と生きがいを知ろう
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3信頼できる転職エージェントの見つけ方、付き合い方
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4ヘッドハントされる人になるための「近道と学び方」
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5もし転職に失敗したら? 「良いサヨナラ」のすすめ←今回はココ
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6My目標設定シートを書いて、自分の育成計画を練る方法
「日経doors アカデミー」転職・適職編の講師は、内的キャリア(やりがい、働きがい)重視のカウンセリングを得意とし、長期キャリアのアドバイスに定評のあるキャリア・カウンセラーの錦戸かおりさんです。第5回のテーマは、「転職に失敗したと思ったら」です。最近増加中の「出戻り転職」についてもご紹介します。

現実は「幸せな転職」ばかりではない
一昔前の終身雇用が事実上消滅し、転職すること自体は「普通」になりました。しかし現実を見てみると、幸せな転職ばかりではありません。
実際に働いてみたら、仕事内容が思っていたものと違った、自分が思い描いていた働き方ができなかった……。そういった「転職後のご相談」もよく受けます。多くの人は、また次の転職に踏み切ったほうがいいのか、もう少し仕事を続けてみたほうがいいのかでお悩みです。そんなとき、私は以下のようなポイントに沿って話を聞いています。
本当に困っていることは何か
転職直後は慣れない環境の中、新しい業務や緊張でかなり体力を消耗するものです。特に初めての転職の場合は分からないことだらけ。せっかく転職したのにうまくいかない自分に対してのいら立ちや、他の会社から出た内定と比較しての後悔、話が違っていたことへの怒りなど、さまざまな感情が渦巻くこともあるでしょう。まずは、そういった感情をすべて吐き出した上で、「本当に困っていることは何か」を考えてみてください。
ここで大事なのは、感情をないがしろにしないこと。どのような感情であれ、あなたの正直な気持ちをまずは受け止めることです。そうしないと、「自分が本当に困っていること」は見えてきません。