「日経doors アカデミー」転職・適職編の講師、内的キャリア(やりがい、働きがい)重視のカウンセリングを得意とし、長期キャリアのアドバイスに定評のあるキャリア・カウンセラーの錦戸かおりさんです。最終回のテーマは、「自分だけの目標設定シートの書き方」です。錦戸さんが「連載を通して、一番伝えたかったことはこれです」と言う内容を詳しく紹介します。

 本連載も今回で最終回になりました。今までたくさんのことをお伝えしてきましたが、ご活用いただけているとうれしいです。

 昨今、新型コロナの影響で、皆さんのお仕事にもさまざまな困難や変化が起きているのではないでしょうか。とても気になります。そんな困難や変化の真っ最中だからこそ、ぜひ共に乗り越えるべく今回も頑張りましょうね!

自分を大事に育てましょう!

 4月は年度初めの人も多いと思います。特に今年は大変な非常時ではありますが、こんなときだからこそ、ぜひあなたの1年の目標を見直してみていただきたいと思います。

 会社で評価面談を受ける前に目標管理シートを記入する人も増えていますが、私が聞く限り、自分のためというより、「提出するためのシート」になっている方が多い印象です。書いている内容に心底納得できているわけではないけれど、会社の決まりで提出せざるを得ず、何となく数字や実績を書いて提出している……。

 残念ながらこれではあなたの成長はあまり期待できません。そうではなく、100%自分のために書く「目標設定シート」に挑戦してみていただきたいのです。誰かに提出する必要はないので、本音で書いてみましょう。

 非正規職や中小企業勤務の方の中には書いたことがない人も多いと思います。ぜひ挑戦してみてください。

 私のクライアントの中には、自分の強みが分からない方が多くいらっしゃるのですが、そういった方に共通するのは、仕事で自分が「やっていること」や「できていること」を把握する機会がないことです。目標設定シートを記入することで、自分への期待や役割を考え、チャレンジ項目を書き、半年後にその結果を振り返る。これは、自己理解を深め、これからの自分を大事に育てることにつながります。

 皆さんのために作ったフォーマットを次ページに掲載します。多くの方に当てはまりやすいように作ったものなので、ぜひあなたが使いやすいように改良して使ってください。