「子ども欲しくないの?」「子どもを産まない人生なんて私には無理」など周囲からの言葉にモヤモヤしたことはありませんか? 精神科医の片田珠美さんにそのような発言をする人の心理や上手な言い返し方を聞きました。自身も「子どもがいないからそんなに働ける。男と変わらない」と言われた経験があるそうです。
前編 「なんで子ども欲しくないの?」発言する人の心理とは ←今回はここ
後編 子どもがいない疎外感やコンプレックスとの向き合い方
自分の優位性を示したい
編集部(以下、――) 子どもがいない人に対して、「なんで子どもをつくらないの?」と聞いたり、「子どもってかわいいよ? 産めば分かるよ」「子どものいない人生なんて私には無理だな~」などとマウントを取るような発言をしたりする人に出会うこともあります。こういう人たちはどういった心理なのでしょうか?
片田珠美さん(以下、片田) いくつかのパターンが考えられます。まず、子どものいる人がそうしたことを言う場合、相手よりも一段高いところに自分を置くことで優位性を示したいという心理の表れなんです。いわゆる「マウンティング女子」です。やたらと序列を付けたがる人は、自己愛が強く、自分の存在を認めさせたいという承認欲求が非常に強い傾向があります。
想像力が欠けている
もう一つは、「想像力が欠如」しているケースです。自分の発言によって、相手がどれだけ傷ついたり、自信をなくしたりするかということに想像力が及ばない。本人からすれば、悪意がなく、むしろ心配しているつもりだったり、親しみを込めたコミュニケーションだったりするのですが、デリカシーがなく無神経なので、人を傷つけることを平気で言ってしまう。年配の男性にもこうした人は結構いますね。