幸せは誰が決めるのか?

 読者の皆さんの中には、友人がデートを楽しんでいたり、キラキラした人たちに囲まれて仕事をしていたりする様子をSNSに投稿しているのを見ると、「幸せそうだなー」と思うときがあるかもしれません。でも、本当に幸せかどうかは、本人にしか分かりません。幸せそうに見えているだけかもしれない。

 「幸せ」は、自分で決めるものであり、幸福度は主観的に測るものなのです。

幸せな人は生産性が高い!

 「幸福学の父」といわれている、イリノイ大学名誉教授のエド・ディーナー博士によると、この主観的幸福度が高い人は、そうでない人に比べて、創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%高い傾向にあるという研究データもあります。

 彼が開発した「人生満足尺度」では、5つの質問に対する回答の合計からその人の人生満足度を測ることができます。まずは、やってみましょう。

ほとんどの面で、私の人生は私の理想に近い、私の人生は、とても素晴らしい状態で私は自分の人生に満足している、私はこれまで、自分の人生に求める大切なものを得てきた、もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう、それぞれ1~5点で合計点は?

 いかがでしたか。

 ちなみに、2012年に日本人1500人を対象に行った調査結果では、35点満点のうち、平均は18.9点でした。

 実はこの幸福度、環境やマインドで点数は変わるんです。上がるときもあれば下がることもある。健康診断のように、定期的にやってみると自分の変化にも気づくことができ、今の自分の状態を客観的に判断する目安になります。

 次回から、体系的幸福学を基に、「幸せ」を感じる4つの因子について考えながら、私たちが「幸せに働く」ために必要なことを1つずつ探っていきましょう。

取材・文/井上佐保子 イメージ写真/鈴木愛子