自身の失敗や挫折経験を通して、次の世代の女性たちを応援したいと熱い使命感を抱き、夫の不倫問題を含め、数々の修羅場を乗り越えながら腹をくくってきた金子恵美さん。今回は、doors読者の悩みでよく聞く「自己肯定感の低さとの付き合い方」。

 「私は、自分にあまり自信がありません

 発信力が高く、自分の強みをアピールできるセルフプロデュース力のある人を見ると、魅力的で羨ましいし憧れるのですが、『自分にはできないなぁ』と思ってしまいます。

 仕事をしていても、果敢に新しいことや難しいことに挑んでいくタイプではありません。ステップアップすることに、どこか躊躇(ちゅうちょ)してしまう自分がいる。どこかで『自分だけ仕事ができないんじゃないか』と、劣等感を抱いてしまうんです」

(28歳、メーカー、マーケティング、さゆり)

 本当にまじめに仕事を積み重ね、結果もちゃんと残しているのに、「私なんてまだまだ」「自分はうまくできていない」という女性は、結構たくさんいます。さゆりさんも、そのタイプの印象を受けます。

 先日、ある企業セミナーで講演したとき、上層部の方から「女性上司を増やしたいが、『私にはとても務まりそうにない』と断る人が多くて困っている」と相談を受けました。

 昇進の前例として圧倒的に多いのは男性ばかり。既にマネジメント層に上がっている女性がいたとしてもまだ少数派という現場も多いでしょう。そんな中で、「いやいや、自分は、男性たちやあの女性上司のようにはできそうにない」と腰が引ける気持ちも、分かります。

「先輩や周りの人が自分よりはるかにできる人に見えたりしますよね」
「先輩や周りの人が自分よりはるかにできる人に見えたりしますよね」

 でも、人事評価や営業成績、顧客やクライアントの声など、客観的な他者評価が高いからこそ、昇進の声ってかかるもの。その事実をなかったことにして、自分で自分の評価を下げて、「私にはできない」ととらえるのは、謙虚とは言わないんじゃないか、と思うんです。

 そこで、さゆりさんに、試しに一つ、やってみてほしいことがあります。