自身の失敗や挫折経験を通して、次の世代の女性たちを応援したいと熱い使命感を抱き、夫の不倫問題を含め、数々の修羅場を乗り越えながら腹をくくってきた金子恵美さん。今回は、「他者のミスをどこまでフォローすればいいのか、いつも迷い、悩んでしまう」という相談。金子さんのアドバイスは?

 同僚や後輩のミスを、どこまでフォローするのがいいのか、悩むときがあります。やさしく手を差し伸べて一緒に改善してあげる、それとも改善のヒントだけあげて頑張れ、と背中を押す、あるいは自分のミスではないのだから冷たく突き放す……。時と場合によって使い分ける必要があると思いつつも、同じミスを繰り返されるとイラッとすることも。

 時には自分でやったほうが仕事が速く済むから、と『あとはやるから』と丸ごと引き受けてしまうこともあります。そのたび、相手が成長する機会を奪っているのでは?と考えてしまうんです。

 自分の中で、他者のフォローの仕方で揺れていて、いつも「これでいいのか」と悩んでしまう。金子さんはどうやって他者のミスと向き合っていますか?
(あかり・33歳・会社員)

 あかりさんは、相手の成長のためには何ができるだろうか、と真剣に相手のことを思うからこそ、悩んでいるんですよね。その時点で、とても頼れる同僚でいい先輩だと思います。

 人間ですから、どんなに気をつけていてもミスをします。もちろん、自分自身も……。私はいつも、それを前提にして、人と接するようにしているんです。だから、「ミスした人を突き放す」という選択肢は持っていません。

「これまでも、身近な人が失敗しても、突き放すという選択はしませんでした」
「これまでも、身近な人が失敗しても、突き放すという選択はしませんでした」

 とはいえ、この相談の中にもあった「何度も同じミスを繰り返される」のは、困りものです。どんなに温厚な人でもイラッとするでしょう。特に、忙しいときや急ぎの案件で、同じミスをされると、つい感情も波立ちますよね。きつい口調になってしまうときだって、あると思います。

 でも、あかりさんが考えるように、確かに、「時と場合」をわきまえた賢い伝え方が必要なんだと思います。なぜなら、ミスの指摘や注意をする方法を誤った場合、組織としての致命傷になりかねないからです。