今、輝いている人にお金と人生、お金と仕事について聞くこの連載。ブランドプロデューサーとして活躍する柴田陽子さんに、貯金をはたいて起業した経緯、父親の会社の倒産でお金に対する価値観が変化したことなどについて伺います。
前編 ブランドプロデューサー柴田陽子 貯金を全額使い起業 ←今回はここ
後編 柴田陽子 父の会社が倒産 気付いたお金の価値
「起業に使った貯金全額300万円」
柴田陽子事務所を立ち上げる際、「万が一にも人に迷惑をかけてはいけない」という思いから、資本金として当時の預金残高の全額300万円を使い独立した。すべて自分が働いて得たお金ということもあり1万円もムダにしなかった。
起業のために自分の貯金を使ったワケ
日経doors編集部(以下、――) 柴田さんはこれまで、ローソンの人気スイーツ『Uchi Cafe Sweets』や東京・渋谷のシンボル的存在の商業施設『渋谷ヒカリエ』など、数々の商品開発や商業施設作りを担ってきました。もともと外食企業に入社され、秘書として働かれていたそうですね。
柴田陽子さん(以下、柴田) はい。カフェ経営に興味があって外食企業に就職したのですが、最初の仕事が役員秘書だったんです。秘書を3年務め、その後ネイルサロンの新規業態開発などをすすめ、初めてレストラン開店事業を任せられました。