業績不振でリストラ、やりきれない思い

若月 西友がウォルマートに身売りをして「海外の小売業、海外ビジネスは全て撤退」という方針が出たんです。撤退するための交渉を海外の合弁会社を相手にやっていましたが、険悪な雰囲気になることも度々ありました。前向きな話題ではないですからね。でも、あれで度胸がつきましたね。決めたことをやり遂げる力が身に付いたと思います

 ただ、やりきれない気持ちになったこともあります。西友の全社員が集められて「希望退職制度をやります」とアナウンスされたんです。その時の、体が椅子に沈み込むような感覚は忘れられません。「もう二度とあんな思いをしたくないし、人にもさせたくない」と心底思いました。

 それまで満額払われることがなかった賞与などについて、あまり気にすることはなかったのですが、やっぱり会社とは、社員にきちんと給料を払い続けられる存在でなければならないというのは、改めて感じました。

――後編は西友を離れ、大ブームから下り坂に転じたクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンに移り、社内改革に乗り出すために再び自己投資をされます。そしてそれを元に事業を再成長に導いた過程について伺います。お楽しみに!

取材・文/都田ミツコ 写真/鈴木愛子