成功者はどのようにお金を使い、道を切り開いたのか――。お金とキャリアにまつわるエピソードを紹介する本連載。第3回は人気のドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」を展開する若月貴子社長です。前編では、クリスピー入社前、新卒で入社した西友時代のお話を伺います。
前編 クリスピー・クリーム若月貴子 病に倒れ自分ケアに投資 ←今回はここ
後編 クリスピー・クリーム若月社長 崖っぷち=プライスレス
西友時代「業績賞与満額」は一度もナシ
日経doors編集部(以下、――)この連載では皆さんのお金にまつわるエピソードや、思い出深いお金の使い方などを聞いていきます。若月さんにとって忘れられない、お金に関するエピソードはありますか?
若月貴子さん(以下、若月) 私はキャリアの中で、予算が達成されたとか、売り上げが前年比プラスになったという経験があまりないんです。だから、お金にまつわるうれしい記憶があまりなくて(笑)。新卒で総合スーパーの西友に入社したのですが、その当時、バブル崩壊が始まり、業績が傾きだしました。それから在籍していた15年もの間、西友の既存店の売上高が前年の同月と比べてプラスになったことは一度もなかったし、業績賞与が満額出たことも記憶にないです。
「アロマセラピー資格取得で通った専門学校の授業料」
ストレスから病を患った経験からアロマセラピーに目覚め、専門学校に通おうと一念発起。総額100万円かかった。「この授業とこの授業で1万円になる」とコスト感覚を持ちながら受講していった。