いま、輝いている人はどうお金を使い、道を切り拓いたのか――。お金とキャリアにまつわるエピソードを紹介する本連載。今回の主人公は、日本発のファッションブランド「ファクトリエ」が注目のライフスタイルアクセント社長の山田敏夫さんです。後編にあたる今回は、なけなしのポケットマネー50万円で創業し、軌道に乗せるまでのヒストリーを伺います
日経doors編集部(以下、――)この連載では皆さんのお金にまつわるエピソードや、思い出深いお金の使い方などを聞いています。前編の記事「ファクトリエ山田敏夫 全財産失ったパリで起業志す」は波乱のパリ留学から帰国し、バリバリの営業マンから転職、極貧時代のフリーター生活を送ったことを伺いました。フリーターをしていたときにフランスの友人からのメッセージを元に起業を決められました。
山田敏夫さん(以下、山田) そうですね。フリーターの次の起業だから、めちゃくちゃ不安でしたよ。手帳に家計簿をつけて、確認していました。会社の資本金は50万円、僕の貯金残高でした。だけど、それもサイト作りやシステム利用料、メールアドレスの取得などでどんどんなくなっていく。
山田敏夫さんの あのときの1万円
「創業当初、1日1通、全1000通書いた手紙の切手代」
――それは不安ですね。どのようにして過ごしたのですか。