将来に備えて貯金をしなければと思ってはいるものの、趣味や本当に必要でないものにお金を使ってしまうから、収入が平均より少ないからなど、貯められない理由はそれぞれです。20代から30代のdoors読者が抱える「貯金ができない」悩みについて、やさしいお金の専門家/金融教育活動家の横川楓さんがアドバイスします。

リボ払いの返済でマネープランが崩壊

 「昇格、昇給してから浪費癖に拍車がかかってしまいました」と話すのは、会社員の坂本美奈さん(31歳・仮名)。服やコスメ、ブランド品の購入のために、クレジットカードのリボ払いを利用したといいます。ところが、毎月返済していても一向に元本が減らず、悩むようになったそうです。そこで横川さんに返済プランや返済しながら貯金する方法をアドバイスしてもらいました。

◇相談者プロフィール
坂本美奈さん(31歳・仮名)広告代理店 正社員 都内で一人暮らし

◇相談内容
「26歳のときに、今の広告代理店に転職。月々の給与も5万円ほどアップし、29歳のときに主任に昇格してさらに1万円昇給しました。華やかな業界ですし、リーダーになったので見た目もよりよくしたいと思い、ワンランク上のバッグや服、コスメ、エステなどにお金を使うようになりました。そのほとんどをカードのリボ払いで購入していたのですが、気づいたら支払残高が40万円を超えていました……。金利は13%なので、毎月返済していてもなかなか終わりません。途中で生活費が足りなくなり、貯金も崩してしまいました。貯金をしなきゃという焦りもあるのですが、リボ払いを先に完済すべきかと悩んでいます」
坂本さんの家計簿
 手取り31万円
 ・家賃     9万円
 ・光熱費    1万3000円
 ・食費     2万円
 ・通信費    1万5000円(スマホ、通信ルーター代)
 ・服飾・美容費 5万円(衣料、美容院、月2回のネイル)
 ・雑費     3万円(飲み会、手土産、仕事の付き合いなど)
 ・医療費    5000円(歯医者、内科など)
 ・保険     1万3000円(医療保険、個人年金保険)
 ・サブスク   4000円(音楽、ビデオ、雑誌など)
 ・つみたてNISA 2万円
 ・リボ払い   2万円(残金は約40万円)
 ・貯金     2万円

     合計  30万円
★現在の貯金額  50万円

 「クレジットカードの利用は続けていてもいいですが、『もうリボ払いはしない』と決めてください」と横川さんは話します。