経済分野で世界平均を下回った「管理職ポジションに就いている男女の人数の差」

 2019年に起業を経験した私としては、今回の結果の中でも、経済分野の項目で世界平均を大きく下回った「管理職ポジションについている男女の人数の差」に、特に大きな関心と最近自分の中で考えていることへのリンケージを感じています。

 例えば、ジェンダーギャップ指数の数値を上げるためだけならば、民間企業が女性の管理職を増やせばいいだけのこと。2003年に日本政府が掲げた「2030」の中にある「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標からは現時点で既に大きく遅れを取っていますが、大企業優位の経済システムが揺らぎ、働き方が急速に多様化する今の日本であれば、この分野では大きく順位を巻き返せるような気がする、と言ったら少し楽観的すぎるでしょうか

 だけど私が真っ先に思うのは、女性管理職の増やし方うんぬんではなくて、そんな理由で管理職に指名される女性たちのこと。彼女たちの立場になって考えてみると、ほんとたまったもんじゃないと思うのです。

いちいち「女性」と枕ことばに付けられる気持ち悪さ

 私だったら、「女性だから」という理由で管理職に選ばれるなんていうのは絶対に嫌。

 最近、転職サイトや会社のコーポレートサイトで、女性管理職比率を明記しているものもあります。管理職になった女性が、「女性だから」という理由ではなく、純粋に仕事上の能力を評価されて選ばれたはずなのに、「女性」という側面だけ取り上げて数値化することで妙な気持ち悪さを含んでしまう。

 私たち女性は、いや、少なくとも私は、「あえて『女性』という部分を強調されることで少しだけ傷つくことが増えたなあ」と、この女性エンパワーメントの時代に感じているのです。ただ社会の一員として、いつもいい仕事をしたいだけなのに。