男女格差を変えられない国では、もう娘を育てられない

 娘の教科書には、社会科ではグローバル経済という言葉が、道徳ではダイバーシティーという言葉が当然のように並んでいる。そんな世界に希望を持ち、一生懸命勉強し、学んだことや熱中していることを将来に生かそうと前向き100%で生きている13歳女子。とてもじゃないが、「ま、でもその先には、性差別が治らず世界に比して劣化している日本の政治経済があるんだけどね」なんて言えない。早いとこ留学してください、娘よ。こんな不平等を味わってくれるな。おじさん忖度女子にはなってくれるな。

緊急シリーズ「ジェンダーギャップ121位 過去最低の日本に意見します」をスタート

 ……と、こんなことを1日で思いめぐらせ、日本脱出説なんて安易なことしか思い浮べられないでどうする! 私たちは若い世代の女性を応援する『日経doors』だろ! と奮起しました。

 この「ジェンダーギャップ過去最低を記録」という不都合な事実について、皆さんの声を聞きたい。誰にも忖度せず、誰の顔色も窺わず、みんなの胸の中にある言葉を聞きたい。出る杭は打たれるとスルーするのは簡単。「またか…」と慣れきってしまうのが一番恐ろしい。男女格差が大アリな未来を、黙って次世代に遺してしまわないために、本日から緊急シリーズ連載「ジェンダーギャップ121位 過去最低の日本に意見します」をスタートします。

 海外経営者、若手世代、政治家、起業家、企業幹部、学者など、各分野からメッセージをもらいます。既に目の覚めるような声も届き、勇気が湧きました。ぜひ読者の皆さんの声も、SNSなどを通して聞かせてください。こちらに、読者の皆さんが自由に書き込めるフォーラムを作りました。ご意見をお待ちしています。

文/羽生祥子(日経xwoman総編集長、日経doors編集長)