この結果からは、もう上がっていくしかない!

大浦佳世理/公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEO兼専務理事
大浦佳世理/公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEO兼専務理事
日本で生まれ、日本と米国で教育を受ける。デンバー大学を卒業後、テンプル大学薬学部で修士号を取得、カペラ大学で博士課程単位を取得。日系製薬企業に勤務後、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)で、執行役員としてリージョナルR&Dオペレーションズシニアディレクター(日本・中国担当)、コマーシャルオペレーションズ・カスタマーエクスペリエンス部門長などを歴任。また、BMS米国本社にて、B-NOW(BMS Network of Women)のグローバル・リード/ジェネラルマネジャーとして、ダイバーシティやインクルージョンを積極的に推進し、ビジネスの成長をけん引。2019年4月より現職。

新たな日本に生まれ変わる重要なきっかけ

 各国それぞれに文化・歴史的背景があります。私は、今回のジェンダーギャップ指数のランキング順位だけを見て一喜一憂しなくてよいと思っています。

 ただ、この指標が用いられる限り日本がランキングの下位にいることは変えようのない事実です。きちんと受け止めて、引き続き官民を挙げて一歩一歩、着実に取り組みを進め、私たち女性一人ひとりが自信を持ち、この歩みを止めないことが大切です。

 私たちが認識すべきなのは、日本も地道ではあるものの、ジェンダー平等に向けて社会が徐々に良い方向に向かっているということです。ローマは一日にして成らず。今回の結果は、日本へのwakeup call、新たな日本に生まれ変わる重要なきっかけなのかもしれません。

 日本は多くの課題や困難に直面するたびに人々が一致団結して乗り切ってきました。今回もその一つの過程であるとすれば、男女・世代を超えて国民が一体になって、少子高齢・人口減少時代におけるジェンダー平等の意味と重要性を一緒に理解し、アンコンシャス・バイアスを取り除き、時代に即した政策や制度にアップデートしていけば、日本の将来は必ず良くなると私は信じています。

 この結果を見る限り、もう上に上がっていくしかないでしょう!