ジェンダー・ギャップについて周囲と話そう

 一方で、日本政府や会社を頼りにするだけでは、残念ながら変化のスピードが遅過ぎます。実際に変化を起こすためには一人ひとりが行動をすることが鍵になってきます。

 私たち個人は一体何ができるでしょうか。まず、簡単にできることは、このジェンダー・ギャップ指数について周りの人と話してみることです。急に100人の意識や考えを変えることはできません。でも周りにいる10人に対して、男女不平等について考える機会を与えることはできます。

 そして、できるだけ身の回りにいる女性を支えていくことも、私たちができることです。女性の政治家に投票したり、社内で女性が昇進できるようにサポートしたり。上司にちょっと一言周りの女性の活躍ぶりを話すことなら、きっとできますよね。

世の中の「当たり前」を疑問視する

 もう一つは、少しハードルが高いかもしれませんが、嫌なことやおかしなことに対して声を上げていくことも大切なことです。なぜ女性は化粧をしないといけないのか、ストッキングをはかないといけないのか、なぜお酌をしないといけないのか、など、そんな小さな疑問を発言してみる。誰もが思考停止せず、世の中の「当たり前」を疑問視することで、少しずつ考え方が変わっていくのです。

 そして最後に、日本に住むのがちょっと窮屈な女性へ。頑張って無理してまで、日本に残る必要はありません。ワーキングホリデーや留学で海外に住んでみる。つらい環境で働くより、海外へ行くのはありかもしれません。もしかしたら、日本でずっとつらい思いをするより、少し頑張って海外へ行くほうが長期的に見れば楽な可能性もありますよね。それは「逃げだ」と言われても、いいと思います。

 日本は今、人手不足で女性の労働者を必要としています。でも、環境が変わらないのなら、私たちにだって働く場所、生活する場所を決める権利がある。いっそ、皆で海外に行ってしまえば……なんて思ったりもします。

 このジェンダー・ギャップ指数を見て、おかしいな、ひどいなと思って声を上げるのも、声を上げないのもあなた次第。私たち女性は、男性と平等になる権利がある。そのことを知って、あなたは明日から何をしますか?

文/鈴木伶奈