自分のリズムで8時間寝ることが大事

 夜型の人が朝早く起きられるようになるには、理論上は決められた時間に毎日朝の光を浴びればいいのですが、そのためには「起きて外に出る」という行動が必要になります。さらにいえば、前日の行動を変えて、早く寝るようにすることも必要です。このように、自分のリズム(概日リズムと呼びます)の傾向を変えることはそれまでの生活パターンを変えることであり、生き方を変えるといっても過言ではありません。ちょっとした思いつきでできるような簡単なことではないのです。

 また、夜型の人が頑張って朝型の生活に変えても、ちょっと生活リズムが崩れると、途端に夜型へ戻ってしまいます。遺伝的に夜型の人が朝型の生活に合わせ続けるのは、それだけ大変なことなのです。

 まずは、自分の睡眠の傾向を知ることから始めましょう。そして、どんなタイミングでもいいので、自分のリズムに合わせて、7時間半~8時間の睡眠時間を確保すること。これが最も大切なことです。

 くれぐれも、「できるビジネスパーソンは朝活している!」という言説に惑わされて、睡眠時間を短くして朝早く起きるようなことはしないでください。

―― 下編(生活をセルフコーディネートして睡眠時間を確保しよう)に続きます。

取材・文/荒木晶子、日経doors編集部 イメージカット/PIXTA