平日は残業や友人との付き合いなどで帰宅が遅く、毎日眠い目をこすって仕事をこなし、休日はほとんど寝て過ごして終わってしまう……。そんな生活を送るdoors読者も少なくありません。睡眠医学の発祥の地である米国スタンフォード大学の睡眠医学センターで臨床と研究を続ける河合真先生は、「日本人は慢性的な睡眠時間不足」と危機感を抱き、SNSで「寝よう!」と呼びかけています。第3回は「朝活と昼寝」について。上下編でお送りします。

上編 「朝型」「夜型」は遺伝 「朝活」には向き不向きがある ←今回はココ
下編 生活をセルフコーディネートして睡眠時間を確保しよう

「朝活」しない人は仕事ができない?

 皆さん、こんにちは。河合真です。

 早起きして自己啓発や趣味などの活動をする「朝活」。皆さんの周りにも、朝活をしている人は多いのではないでしょうか。ちまたには「できるビジネスパーソンは朝活を実践している」というような情報があふれていて、あたかも「朝活をしない人は仕事ができない」というような風潮もあるようです。しかし、実はこれにはトリックがあります

 日本の多くの会社では、始業時間が午前8時~9時あたりになっていて、朝早い時間から働くのが一般的です。人間には、遺伝的に朝に強い「朝型」の人、夜に強い「夜型」の人、そのどちらでもない人の3パターンがあるのですが、だいたいの人は自分の勤務時間に合わせて調整することになります。