日経doors読者の皆さん、新年あけましておめでとうございます。日経doors編集長の羽生祥子です。2020年がいよいよスタートしました。この一年は20~30代のdoors世代にとってどんな年になるでしょうか? 私は、日本の若きリーダー層が親世代とは全く違ったキャリア観、グローバル感覚、結婚・家族像を打ち立て、しなやかに進化する一年になるのではないかと思っています。そんな“2020年の日本をリードするdoors世代”を、女性が活躍してきた歴史を振り返りながら分析してみました。

 「100年って、人生長すぎませんか? 100年経ったら世界が変わりすぎていて、もうライフプランなんて考えられませんよ」と、doors読者会で記事にツッコミを入れたのは婚活に悩む20代だった。確かに、100年は長い。40代の私でさえ、まだ人生マラソンの折り返し前だということにゲンナリしているくらいだ。100年後ってどんなよ? 技術や文化や価値観て、どれだけ変わるの? こんな素朴なギモンを整理するために、2020年からちょうど100年前の1920年の世界を調べてみた。すると、現在の働く女性が直面する課題と共鳴する出来事が次々と出てきた。

世界的に働く女性が増大した100年前

 1920年は、第1次世界大戦終結の2年後。各国で独立宣言と革命のラッシュが起き、国際連盟(現・国際連合)が創設された時期だ。そんな1920年に起こったニュースで私が注目したのは、「アメリカで働く女性の数が拡大、850万人を超える」という記録だ。働く女性の存在が勢いづくアメリカでは、同年に婦人参政権を発効。女性が選挙権を持ち、初めて政治に参加できるようになった記念すべきスタートイヤーなのだ。

 政治参加といえば、昨年末、日本は世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」で過去最低という恥ずべきスコアを世界に露呈してしまった。特に男女差が大きいのが政治分野だ。日本女性は歴史的に政治に無関心だったのか?というとそんなことはない。ちょうどこの1920年に、平塚らいてうが新婦人協会を設立し、今でいうフェミニスト活動家の若きリーダーとなる。「元始、女性は太陽であった」で有名ならいてうのメッセージは、欧米から25年も遅れをとったが、1945年の婦人参政権獲得へつながる大きな一歩となったのだ。