テレワークなどで時間に余裕ができたら挑戦してみたいのが副業。お小遣い稼ぎになるだけでなく、本業で必要なスキルを磨き上げることにつながったり、人脈の構築や転職する際のアピール材料として使えたりすることも。副業の賢い始め方を伝授します。

話題の「副業」。「気になってはいるけれど、初めて挑戦するとなるとハードルが高い」と感じている読者が多いのではないだろうか。プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)で企業と副業人材のマッチング支援に携わる葛谷美里さんに、副業を取り巻く現状や、始める際に心掛けるべきポイントについて聞いた。

変わる副業の形

 フリーランス協会は、独立して活動するさまざまな分野のプロフェッショナルや、企業に雇用されながら副業などで複線的なキャリアを築く人たちを支援する非営利団体だ。葛谷美里さんは、自身もフリーランスで多くの企業の人材育成支援に従事しながら、協会の求人ステーション統括コーディネーターとして、副業人材と企業を結びつける業務に携わっている。

 副業というと、「ちょっとした内職で小遣い稼ぎをする」「趣味の延長線上で、知り合いから頼まれた仕事をほぼボランティアでこなす」といったイメージを持っている人もいるかもしれない。確かに、従来はそうだった。だが葛谷さんによると、近年の副業のトレンドは変わりつつあるという。

 「キャリアの中で培ってきたビジネススキルを、勤め先以外の企業・団体にも提供するという形が広がってきています」(葛谷さん)

 IT技術の進展や、クラウドソーシングなどネットで仕事を受発注できるサービスの広がりを受け、副業のハードルが低くなった。さらにコロナ禍で激烈な変化にさらされる各企業は、「社員=自前の人材」だけで成長し続けることが難しくなっている。

 「副業というと、デザインや編集・ライティングなど、創造的なコンテンツを生み出す分野で働く人が活躍しているイメージもあるかもしれません。もちろん、そうした分野へのニーズは継続して存在しますが、仲介サイトなどを見ると、企画・営業、広報、人事など、企業が『社員』として抱えることが多かったビジネス系職種の仕事を外注するケースが増えている。こうした仕事は今まで『会社に毎日来ない人に任せるのは抵抗がある』と思われがちでしたが、コロナ禍で社員も『社外』で働くようになりました。リモートワークの浸透は、働き手に時間の余裕をもたらしたとよくいわれますが、企業側が業務を外部へ切り出す上での心理的障壁を取り除くことにもつながったと感じます」(葛谷さん)

次ページから、本業スキルを生かす副業を成功させるためのノウハウをお伝えします!
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