今の仕事では物足りない。自分の価値を発揮できる場所は、もっと他にある気がする――。そんなとき「フリーランス」という選択が頭をよぎる人も多いはず。独立の「光と闇」、成功に必要な知識・ノウハウまでを、ギュッとまとめてお届けします。

企業の人手不足や副業解禁の拡大を受け、ここ2~3年、企業に属さないフリーランスへの注目度が高まっています。でも、そもそも「フリーランス」って明確な定義がない働き方。起業家とは別物? フリーターとも、違うんですよね…? 今さら聞けない「超基本」を、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんに教えてもらいました。

「フリーランス」って、何?

 フリーの広報、出版プロデューサーなどとして活躍しながら、2017年に雇用形態に縛られない働き方を支援するプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)を設立した平田麻莉さん。「フリーランス」にはもともと、法的に定められた定義はありませんが、協会としての位置づけを以下のように説明してくれました。

 より具体的には、次の図を見てみましょう。一般的にイメージされやすいのは、企業・組織との雇用関係がない「独立系フリーランス」。法人化している経営者、個人事業主、開業届を出さずに「すきま時間」で仕事をしている主婦や学生なども含まれます。

 さらに、1つ以上の企業・組織と雇用関係がありながら、起業したり、他の企業・組織からも仕事を受けたりしている人たちも、広義では「副業系」としてフリーランスに含まれます。

フリーランス協会「フリーランス白書2019」と平田さんへの取材を基に日経doors編集部で作成
フリーランス協会「フリーランス白書2019」と平田さんへの取材を基に日経doors編集部で作成

 労働政策研究・研修機構の調査によると、副業系を含めた広義のフリーランス人口は国内で約390万人に。労働力人口の約6%を占めるまでに至っています。

 「IT技術の進展や、クラウドソーシングなどネットで仕事を受発注できるサービスなどの広がりを受け、独立・副業の敷居が低くなりました。また、企業側としては、恒常化する人材不足が大きな課題です。自前で『社員』として育てるのにも限界がありますから、専門性のある働き手であるフリーランスの力を借りたいというニーズが高まっていると思います」(平田さん)