今の仕事では物足りない。自分の価値を発揮できる場所は、もっと他にある気がする――。そんなとき「フリーランス」という選択が頭をよぎる人も多いはず。独立の「光と闇」、成功に必要な知識・ノウハウまでを、ギュッとまとめてお届けします。

フリーランスになりたいけれど自信がない、どこまでスキルが通用するか不安、そんな人も少なくないはず。そこで今回は10年以上、フリーランスのビジネスマナー・キャリアセミナー講師として第一線で活躍し続ける北條久美子さんに、会社員からフリーランスになるための具体的なアクションプラン、長く稼ぎ続けるこつを教えてもらいました。

一時はフリーランスを断念するも作戦を立てて再出発

 「フリーランスは、仕事内容や取引先を選べるし、働く時間も場所も自分で決められます。その点はとても自由。でも、裏を返せば、取引先に選ばれ続けなければ仕事はなくなるし、オーバーワークになっても誰も助けてくれません。休んだ分だけ収入は減りますし、常に『綱渡り』をしている状態。長くフリーランスとして働くには、いかにその綱を太くしていくかが重要です」

 こう話すのは、今年でフリーランス10年目を迎える北條久美子さん。35歳のときに会社員からフリーのビジネスマナー、キャリア研修講師として独立し、現在は講師、企業の顧問、執筆活動、ワークショップの運営など幅広く活動しています。

 北條さんが長期にわたり、フリーランスとして活躍し続けている背景には、独立を見据えた転職、資格取得、副業を通じて取引先を開拓しておくといった綿密な作戦があったそうです。

 「講師業以外にも言えることですが、業界の動向をリサーチし、市場のニーズと自分のスキルがマッチしているかを見極めてから独立するのが前提だと思います。私は20代後半、法人向け研修会社に所属してマナー講師を務めていました。この頃からフリーになりたかったのですが、当時は講師の数が増加傾向にあり、市場は飽和状態。もっとスキルを高めて、選ばれる存在にならなければと感じ、この頃は会社に所属することを選びました」

 厳しい現実を目の当たりにし、一度は独立を断念した北條さんはある作戦を立てて、再びフリーランスを目指します。そこで描いた「フリーランスへの道」とは?

会社員からフリーランスを実現するキャリアプラン 1.●市場の動向をリサーチし、ニーズを探る ●不足しているスキルは転職して身に付ける ●副業でスキルを磨きながら、パートナー企業を開拓しておく
●	選択と集中で信頼できるクライアントとパートナーシップを築く ●専門分野以外の仕事には手を出さない
それぞれの詳しい内容は次ページ以降で!