結婚してみたものの、なんだかしっくりこない、予想外の出来事がおきた・・・・・・などさまざまな理由で離婚を選んだ女性たち。離婚という経験を通して学んだこと、得たことを共有します。

公務員として働く有田美咲さん(仮名)は、1年間の交際を経て、同期の男性・ユウジさんと結婚した。交際から結婚までトントン拍子に進み、これからは幸せな未来しかないと思っていた。ところが、楽しいはずの新婚生活に少しずつ不穏な空気が漂い始める。理想にとらわれていた有田さんの失敗、ユウジさんの裏切りとは―。

ロールモデルは姉夫婦。理想の家庭を目指した

 「私のロールモデルは2歳上の姉でした。夫と子どもに恵まれ、好きな仕事をして、絵に描いたような『幸せな家庭』を築いていました。義兄は明るく誠実で、周囲に気を配れる人格者。育児も二人でしている。私もこういう人と結婚したいと思ったし、姉が羨ましかった。姉夫婦こそ、私の理想の家庭そのものだったんです」

 こう話す公務員の有田美咲さん(仮名)が、その夢をかなえたのは26歳のときだった。

 職場の研修で出会った1つ年下のユウジさん(仮名)と1年間の交際を経て結婚。家族や友人、同僚に囲まれた結婚式は、まさに人生最良の日だった。

 「出会ったときからお互いに結婚願望が強く、自然な流れで入籍しました。私は学生時代に、定職に就かない人と交際して不安になったことがあったので、有名国立大卒の公務員であるユウジさんは頼もしく思えました。交際中も愛されている実感があったし、情熱的にプロポーズされたときはうれしかった。このころ、周りの友人が次々と結婚して『私もこの波に乗り遅れちゃいけない』と思ったことも、結婚を決めた理由の1つです」

 二人は勤務先も配属先も違うが、公務員としての職種は同じ。早く仕事で一人前になりたいと考えていた有田さんにとって、同業の夫は心強いパートナーになるはずだった。