毎日なんとなく「このままだとヤバイよなぁ」と思っている、運動・睡眠不足や偏食、人間関係、スマホ依存……。同じ悩みを抱えた編集部員が専門家のところに駆け込みました。実際、何がどうヤバイのか。納得の解説と実践アドバイスです。

「この1年で何となく体重が増えたのか、服がきつい」
「首と肩はバキバキに凝っている」
「最近は、よく眠れなくなって目覚めも悪い」……

 長引くコロナ禍で、今までにない体形や体調の異変に危機感を募らせている人も多いだろう。その原因は「動かないことによる疲れ」と指摘するのは、疲労回復専用ジム「ZEROGYM(ゼロジム)」のプログラムディレクターを務める、プロボディデザイナーの松尾伊津香さんだ。

動かないことが原因で疲れている

 「昔は、たくさん動くことが疲れの原因になっていましたが、現代は逆。『動かないこと』が疲れの原因になっているんです。パソコンの使用でずっと同じ姿勢でいると、体の使い方に偏りが生じて、その負担は肩や首の筋肉の凝りとなって表れます。ゼロジムの会員の皆さんも、最初にジムに来たときは、肩と首のこりに悩まされている方が非常に多いです」(松尾さん)

歩数が激減、下半身が柔らかい人は要注意

 2020年4月、松尾さんがジムや社内で調査したところ、一日の歩数が「1000歩未満」という声が多数上がったという。国が推奨している一日の歩数は男性8000歩、女性7000歩。通常の通勤や自由に外出できる生活であれば、それに近い歩数を歩けるはずだが1000歩未満に……。ジムに通う人は健康意識が高いはずなのに、それでも歩数は7分の1に激減。松尾さんは「新型コロナウイルスの健康2次被害を懸念せずにはいられなかった」と言う。

 「具体的な健康2次被害は、体重の増加と筋力の低下です。筋肉はもともと下半身に多くついているため、筋力が低下する量も下半身が多くなります。すると、筋肉の代わりに脂肪がつくため触ると柔らかく、セルライト化して凸凹するなど、見た目も変わります。

 また、言うまでもなく下半身は上半身の下にあって、姿勢を支える土台です。それが、下半身の筋力が低下すると、土台として十分な力を発揮できず、姿勢を維持しにくくなります。その結果、体が傾いたり、首や肩が前に出て猫背になったりするなど、非常に不安定な姿勢になりやすいのです」

こんなヤバイ座り方を続けると「老けていく」

 デスクワーク中に、次のような姿勢になっていないだろうか?

 これらの不良姿勢が続くと肩や首の凝り、腰痛が悪化するだけではない。頚椎(けいつい)や脊椎、腰椎のアライメントを崩してその中を走る自律神経を圧迫するため、交感神経と副交感神経のリズムが乱れるなど、悪影響を及ぼすという。

 つまり、コロナ禍で動かなくなった私たちの体に起きていることは、体重の増加と筋力の低下、さらに姿勢の崩れと自律神経の乱れ。これは、もはや老化以外のナニモノでもない! 「体力を保てないことと、若さを保てないことはイコール。20代でも40代の体になりかねない」と松尾さんは警鐘を鳴らす。

 老けたくない……そう感じた人は、次ページから、上記の「ヤバイ」の詳しい解説と、手軽に試せる簡単なメソッドの動画をチェック。編集部も実践して効果を感じ始めた驚きのポーズをぜひ試してほしい。