毎日なんとなく「このままだとヤバイよなぁ」と思っている、運動・睡眠不足や偏食、人間関係、スマホ依存……。同じ悩みを抱えた編集部員が専門家のところに駆け込みました。実際、何がどうヤバイのか。納得の解説と実践アドバイスです。

 新型コロナウイルスの影響で自粛生活をして1年。テレワークとなり、通勤がなくなって、3食を自宅で取っているという人も多いのではないでしょうか。食事のメニューを考えるのがめんどう、一人暮らしだから食材を買っておくと腐らせてしまいそう……とパンや冷凍パスタ・うどん、インスタント食品など毎日同じようなモノばかり食べているということはありませんか?

 予防医療コンサルタントとして、働く女性の食生活調査や研究を行っている細川モモさんは「同じモノばかり食べていると、生理不順のリスクが高まったり、太りやすくなったり……。将来の妊娠にも影響が出る危険性があります」と話します。

 「食事を簡素化すると、体に必要な栄養素を取ることができず、貧血やメンタル疾患などにつながったり、女性ホルモンの分泌が緩やかに乱れていったりする可能性があるんです。特定のモノしか食べないといった食生活をこの先2、3年続けていくことによって、生理不順になったり、鬱っぽくなったりすることもあります。そして、いつの間にか妊娠しづらい体になってしまうことが一番怖いんです」

運動しないから食事は控えている人は要注意

 自粛生活が始まって約1年。運動しないからカロリーを控えようと、食事量を減らしている人は、「そろそろ、体に影響が出てくるころ」と細川さん。

 「運動をしていないから、太らないように食を制限しようとがちですが、食事のエネルギーというのは、体の免疫機能やホルモン分泌など本来あるべき活動を円滑に回すのに必要なガソリンなんです。逆に栄養が足りないために、見た目は細いのに体脂肪が30%を超えている人も意外と多い。体脂肪が30%を超えると、排卵性障害になりやすくなるリスクもあります」

妊娠しづらい体をつくる負のスパイラル

 「(※)女性ホルモンの円滑な分泌には、一定のカロリーが必要です。それを下回ると明らかに月経異常が増えることが研究報告されています」。しかも、この女性ホルモンの乱れはすぐ分かるものではない、と細川さんは言う。「失恋などの急激なストレスは別として、女性ホルモンは、時間をかけて気づかないうちに乱れていきます。そして、時間をかけて乱れたものはそう簡単に元に戻らない。自律神経失調症や無月経、甲状腺ホルモン異常などを発症する恐れもあり、将来、妊娠を諦めなくてはいけない体になってしまうこともあるんです」(細川さん)

(※)Nancy I. Williams, Sc.D., FACSM,“Female Athlete Triad: Future Directions for Energy Availability and Eating Disorder Research and Practice”,Clin Sports Med. 2017 October ; 36(4): 671–686. doi:10.1016/j.csm.2017.05.003.

 もしかすると、あなたの体は既に、負のスパイラルが始まっているかもしれません。次ページから、私たちがやりがちな食習慣による悪影響と、その対策をお伝えします。

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