いつか自分の理想の働き方ですきなことをとことん追求したい――。そんなとき選択肢に上がるのが「起業」。起業するために今すべきことを若手起業家からあますことなく教えてもらいました。

「起業」と聞くと、オフィスを構えて社員を雇い、事業を立ち上げる――というイメージを持つ人は多いかもしれません。しかし、社員0人で自分が社長となり、オフィスを借りることなくインターネットを使った事業を一人で立ち上げる「自宅オンライン起業」という方法もあります。「起業ひふみ塾」を運営するひふみコーチ代表の秋田稲美さんに、ビジネスアイデアの発想法や、自宅オンライン起業を軌道に乗せるためのコツなどを聞きました。

対人支援の分野と相性のよい自宅オンライン起業

 コロナ禍により急速にオンライン化が進み、「かつてないほど起業のチャンスが到来している」という秋田さん。

 「誰の生活にもインターネットが欠かせない時代になってきたからこそ、インターネットで気軽に買い物をするように、自宅で『オンライン起業』を選択できる時代がやってきました。働く場所を限定せず、時間の制約も受けづらい自宅オンライン起業という道は、結婚や出産などで転機を迎えることの多い20~30代の女性にとって、仕事とプライベートの両立をしやすい選択であるといえます。自分で働く場所と時間を選択できるので、起業して週末だけ就業するという手もあるでしょう」

 秋田さんによると、自宅オンライン起業で最も多いのは、「対人支援」に関するビジネスだといいます。

 「仕事の専門知識を生かしたコンサルティングや、得意分野を人に教える講師業、専門技術を使ったコーチングやカウンセリングなどの対人支援は、オンラインとの相性がよい分野です。また、Zoomなどのオンラインツールを使って世界中とつながることが可能ですし、1対1のサービス提供だけでなく、セミナーやオンラインサロンなどの運営といった展開も検討できます。法人化せず個人事業主として独立する場合は、今あるスキルとPC、通信機器を使って開業すればよいので、設備などにお金をかけることなく起業できます」

 しかし、起業に興味はあっても、「自分には何ができるのか分からない」「何から始めればいいのか分からない」という人は多いのではないでしょうか。この場合、「まずは自己分析をすることが大切です」と、秋田さん。

 「自宅オンライン起業を成功させる条件は、3つあります。1つ目は、自己分析を通して自分の『好き/嫌い』『得意/苦手』『興味あり/興味なし』『強み/弱み』を把握し、起業の原動力となる夢(=自分がやりたいこと)を見つけること。2つ目は、競い合うライバルではなく、相互に支援し合える仲間を増やすこと。3つ目は、的確なアドバイスや励ましを高い視座から与えてくれるメンターやコーチを持つことです」

 次のページからは、実践的なワークでビジネスアイデアを見つけながら、自宅オンライン起業を成功させる3つの条件と、事業を軌道に乗せるコツを詳しく見ていきましょう。

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