会社員として働く以上、「人事評価」は避けて通れない関門。各企業が導入・実施している人事評価制度の実態や最新トレンドを知り、人事評価を自分のキャリアに生かす秘訣を紹介します。

会社員として働く以上、「人事評価」は避けて通れない関門です。いわば、社内でのセルフブランディングが今後のキャリアアップに直結するのです。第3回では「1on1(ワンオンワン)」のプロフェッショナル、世古詞一さんに、先進企業が新しい人事評価制度の一環として取り入れ始めている「1on1」の目的やうまく進める方法、注意点を伺いました。さらに、編集部が取材した、1on1導入実例3社を紹介します。

1on1は「部下のための時間」

 第2回記事「人事評価の最新事情『もう評価はしない!?』」でも紹介した通り、上司・部下間の1対1の定期的な対話「1on1」をマネジメントに取り入れる企業が増えています。半年や1年に1度きりの人事評価面談ではなく、より短い間隔で繰り返すコミュニケーションを重視することで、上司・部下間対話を活発にするマネジメント手法です。組織人事コンサルタントで、この1on1のプロフェッショナルであるサーバントコーチ社長の世古詞一(せこ・のりかず)さんに、1on1の目的から聞きました。

 「1on1は、部下の育成とモチベーション向上を目的とした時間です」

 世古さんは言います。「これまでの面談はいうなれば上司起点。上司が評価査定や目標設定という業務を行うために必要としていた時間でした。これに対し、1on1は部下起点。完全に部下のための時間です」