絶対的だった「正社員」ブランドに陰り? 終身雇用の時代は終わり、転職は当たり前、会社に属さない働き方も増えています。それでも、大多数は正社員を目指す現在。その意味は? 正社員の立場を最大限に利用する方法は? さまざまな働き方の実践者や専門家と一緒に考えましょう。

ベンチャー企業を支援する会社Plug and Playでフルタイムの正社員として働きながら、自ら立ち上げた一般社団法人at Will Workの代表理事も務める藤本あゆみさん。ユニークな働き方に、どうやってたどり着いたのでしょうか。

史上最年少女性マネジャー 抜擢からの挫折

 新卒で人材サービス会社に入社して、わずか3年目。営業職として活躍していた藤本さんは、所属する部署のチームマネジャーに任命されました。自身の力で積み上げた営業成績を買われての抜擢。「史上最年少の女性マネジャー」という冠付きでもありました。しかし、その半年後のマネジャーサーベイ(評価)では、「部下からボコボコに叩かれる結果に」。思い切って挑んだ初の管理職は「挫折で終わってしまった」と語ります。

 「指名されるのが急すぎて『マネジメントとは何か』ということが理解できていなかったんですね。『私はこうすればできたんだから、みんなもこうすればいいでしょ』という態度で、メンバーに接してしまって。それぞれの個性を見極めて、生かすのがマネジャーの大切な仕事なのに」

 正社員として働いていると、時に自分のスキルやキャパシティーを上回る仕事が、会社から与えられることがあります。ただ、それが自分を成長させる機会になるのか、「無理難題」とも言えるものなのかということを、本人が判断するのはなかなか難しいものです。

「マネジメントとは何かということが理解できていなかったんです」
「マネジメントとは何かということが理解できていなかったんです」