「何となく今の仕事を続けているけれど、将来のことを考えるとこのままでいいか分からない」「仕事を変えたいけれど、新型コロナウイルスの収束が見えない中で転職しても大丈夫?」…こんな不安や悩みを抱え、転職に対する漠然とした不安を抱えている人は少なくないはず。現在の転職事情のリアルや、コロナ禍を境に増加した新しい働き方について、転職支援のプロに聞いた。

中途採用市場は、コロナの影響をそれほど受けていない

 新型コロナウイルスの影響で、厳しい経営を強いられている企業を目にすると、「コロナ禍に転職をするのは厳しいのでは?」と感じる人もいるだろう。しかし、転職・就業を支援する人材会社・ディーセントワーク代表の高橋秀成さんは、「もともと中途採用市場は、コロナ禍の影響をそれほど受けていない」と語る。

 「初めて緊急事態宣言が発出された直後――2020年の4~5月頃は、かつてない事態に企業も戸惑い、採用活動が一時的に停滞しました。しかしその後、企業の採用活動自体が止まることはなく、むしろ急激にオンライン面接が普及。各企業に足を運ばなくても、昼休みなどの空き時間を利用してオンライン面接が受けられるようになり、コロナ禍前よりも雇用の流動性が上がりました

 また、飲食業や観光業など、コロナで打撃を受けた業界は確かにありますが、反対に業績が好調になった企業もあります。衛生用品を製造する企業やIT・EC関連企業などが伸びたことを考えると、コロナ禍だからといって転職に特別なリスクがあるとはいえません

 しかし、企業においては、コロナ禍を境に「中途採用がうまくいく会社とそうでない会社がハッキリと分かれるようになった」と高橋さんは語る。

 中途採用がうまくいっている会社とそうでない会社との違いは、一体何なのだろうか? また、これから転職をする場合にはどのような企業を選べばいいのだろうか?

コロナ禍で訪れた働き方と稼ぎ方の変化とは?
コロナ禍で訪れた働き方と稼ぎ方の変化とは?