会社員でありながら、やりたいことに挑戦できる新規事業。多くの企業が新規事業を育てたいと願っている今、チャンスが眠っています。新規事業の成功ルールを、事例を交えて紹介します。

新規事業を始めたいと思ったら、どのように始めればいいのでしょう。リクルート出身で自らも新規事業の立ち上げの経験があり、1500もの新規事業にアドバイスしてきた新規事業のプロ、AlphaDrive代表の麻生要一さんに成功のための4つのステップと陥りがちな罠(わな)を聞きました。

日経doors編集部(以下、――) 今、新規事業をやってみたいと考えたり、会社から新規事業を任せられたりする若手doors世代の女性が増えています。

麻生要一さん(以下、麻生) 本当にやりたいことがあるなら起業すればとも思いますが(笑)、出産や育児などライフイベントもある中でいきなり会社を立ち上げるのはハードルが高いかもしれませんね。

 会社組織に属して大きなリスクを負わず、新規事業を立ち上げたいと考えるのも納得できます。企業側も今後の成長戦略の一つとして新規事業の立ち上げを経営上の課題として掲げるところも増えてきました。私の調査では2019年7月時点で、時価総額3000億円以上の日本の大企業369社の中でも、中期経営計画を策定している311社の中で、94.2%にあたる293社が新規事業の開発を重要なテーマとして挙げています

1500もの新規事業にアドバイスしてきた新規事業のプロ、AlphaDrive代表の麻生要一さん
1500もの新規事業にアドバイスしてきた新規事業のプロ、AlphaDrive代表の麻生要一さん

―― 企業も新規事業を求めているのですね。では具体的にどうすれば新規事業は成功するのでしょうか。すぐに立ち消えになってしまったり、打ち上げ花火のように終わってしまったりする事業も少なくないですよね。

麻生 自分が新規事業を立ち上げた経験や、数々の新規事業にアドバイスした経験から、成功の秘訣をお伝えしますね。ただこれは実に簡単で、誰でもできることなんです

―― 誰でもできること? どういうことでしょうか。

<成功する新規事業の作り方>ステップ1/周囲の100人に「○○」と聞きまくる/ステップ2/課題を解決する「仮説」を○○回立てる/ステップ3/仮説を元に考えた事業案を携え/「○○」に会いまくる/ステップ4/事業がスタート/うまくいかなくなったら/○○と○○に再び会いまくり課題を探る