会社員でありながら、やりたいことに挑戦できる新規事業。多くの企業が新規事業を育てたいと願っている今、チャンスが眠っています。新規事業の成功ルールを、事例を交えて紹介します。

さまざまなフェーズで成長中の新規事業の担当者に、ゼロからどのようにアイデアを生み、価値あるものに変え、経営陣を説得したのかを聞く「新規事業特集」。今回は新規事業からスタートし、今や同社の看板事業にまで成長した「スタディサプリ」の事業化ヒストリーを紹介。カリスマ講師たちが神授業を展開する「オンライン予備校」という発想は、どう生まれ、そしてどう形にしていったのか。創業メンバーのリクルートマーケティングパートナーズ・オンラインラーニング事業推進室部長の松尾慎治さんに話を聞いた。

高校生200人へのインタビューが事業誕生のきっかけ

 会員数84万人、全国約5000校ある高校のうちの半分の約2500校に導入されているオンライン学習サービスのパイオニア、スタディサプリ。この人気サービスはもともとリクルートの小さな新規事業としてスタートした。それがなぜ、同社の看板事業と言えるほどまでに成長したのだろうか。

創業メンバーのリクルートマーケティングパートナーズ・オンラインラーニング事業推進室部長の松尾慎治さん。スタディサプリは小さな新規事業からスタートした
創業メンバーのリクルートマーケティングパートナーズ・オンラインラーニング事業推進室部長の松尾慎治さん。スタディサプリは小さな新規事業からスタートした
<スタディサプリ 成功の秘訣は?>1 全国行脚し200人の高校生からヒアリング 課題に気づく/2 「低価格」「カリスマ講師」のネット予備校で既存事業と徹底して差別化/3 社内でのプレゼンは経営者目線を盛り込み、競争を勝ち抜く/4 失敗から学ぶ七転び八起きの精神でビジネスモデルを修正
次ページから新規事業からスタートしたスタディサプリが83万人の会員獲得にいたる大人気サービスに育てあげた秘訣をご紹介。そこには失敗に屈しず何度も挑戦するストーリーがあった