会社員でありながら、やりたいことに挑戦できる新規事業。多くの企業が新規事業を育てたいと願っている今、チャンスが眠っています。新規事業の成功ルールを、事例を交えて紹介します。

 新規事業を立ち上げた後、事業責任者がたった一人で動いても、なかなか前に進まないことも多いだろう。事業をスケールさせるには、既存の事業を回すよりもさらに大きなエネルギーと優秀な人材が必要だ。

 入社6年目にして社長に「クラフトビールの醸造所をつくりたい」と直談判し、キリンビールで新規事業のクラフトビールを提供する飲食店を展開する「スプリングバレーブルワリー」を立ち上げた吉野桜子さん。

キリンビール 新規事業5年目/アイデアを紙芝居にして仲間を集め、100人超のメンバーで立ち上げ
就活生向けのセミナーに登壇することも多い吉野さん。「そのかいあって、最近では『クラフトビールをつくりたい』といって入社してくれる人も増えています」

 当時、29歳。確たるビジネスプランや企画書もなく、手にしていたのは「思いを込めた紙芝居」だけ。しかし、その熱意が周囲を動かし、最終的には社内外で100人超のメンバーがプロジェクト実現のために力を貸してくれた。

 吉野さんはいったいどんなふうにしてメンバーを集めたのか。「人を巻き込むというより、引きずり込んだ」と笑う、吉野さんならではのチームづくりの秘訣とは──。

<入社6年目の吉野さんが新規事業で仲間を集めた秘訣>1.まず社長に直談判し、了解を得る/2.紙芝居を200回見せて味方を探す/3.新人時代から他部署に遊びに行く/4.他社も巻き込んで市場を育てる/5.若手に権限移譲してチームで成長する
吉野さんのエピソードからは、「人を上手に巻き込む」「人を育てる」極意が学べる。詳しくは2ページから!