会社員でありながら、やりたいことに挑戦できる新規事業。多くの企業が新規事業を育てたいと願っている今、チャンスが眠っています。新規事業の成功ルールを、事例を交えて紹介します。

さまざまなフェーズで成長中の新規事業の担当者に、ゼロからどのようにアイデアを生み、価値あるものに変え、経営陣を説得したのかを聞く「新規事業特集」。今回は電子部品メーカーの京セラの技術者が歯ブラシ開発に取り組んだストーリーをご紹介。「餅は餅屋」の発想で加速度的に事業を進めてきた。その道筋について、京セラ研究開発本部メディカル開発センターの稲垣智裕さんに話を聞いた。

 歯を磨いている間だけ音楽が流れ、歯磨き嫌いの子どもでも楽しく使える魔法の歯ブラシ「Possi(ポッシ)」。昨年誕生し、話題になったこの歯ブラシは、これまで歯ブラシを手掛けたことがなかった、電子部品大手の京セラが構想からたったの9カ月で世に送り出した商品だ。なぜ京セラが短期間で、これまで扱ったこともなかった歯ブラシを開発できたのか。その背景を探った。

京セラがライオン、ソニーと共に開発した音楽が流れる歯ブラシ「Possi(ポッシ)」
京セラがライオン、ソニーと共に開発した音楽が流れる歯ブラシ「Possi(ポッシ)」
歯ブラシ開発に奔走した稲垣さん。「リーダーが強い思いを持って行動すればやりたいことは実現すると学びました」
歯ブラシ開発に奔走した稲垣さん。「リーダーが強い思いを持って行動すればやりたいことは実現すると学びました」
<初めての歯ブラシ開発が短期間で成功した秘訣>1 「餅は餅屋」の精神で、他社の力を借りた/2 「答えはお客さんが持っている」発想で商品開発/3 リーダーが事業の方針をぶらさない/4 クラウドファンディングを募り、製品化へ/試作品を作って終わる「大企業あるある」を吹っ飛ばす
取り組みの詳細は次ページから!