在宅勤務が続き、「働く」と「休む」の線引きやリフレッシュが必要な今こそうまく休みを取り入れたい。ワーケーション、ブリージャー、サバティカル休暇など、企業の優れた事例をご紹介!

長めの「キャリアブレーク」や2週間の夏休みなど、自由自在に「休み」と付き合ってきたアキレス美知子さんに、人生のかじを手放さないキャリアの積み方について詳しく伺います。(※取材は、2020年3月12日に実施)

キャリアブレークをためらわない

「その都度、優先順位を考えて、必要に応じて仕事に休止符を打ってきました」と語るSAPジャパン人事戦略特別顧問のアキレス美知子さん。会議室に差し込む夕日を背景に
「その都度、優先順位を考えて、必要に応じて仕事に休止符を打ってきました」と語るSAPジャパン人事戦略特別顧問のアキレス美知子さん。会議室に差し込む夕日を背景に

 SAPジャパンで人事戦略特別顧問を務めるアキレス美知子さんは「人生って不意にさまざまな出来事が起きますから、私はその都度、優先順位を考えて、必要に応じて仕事に休止符を打ってきました」と自らのキャリアを振り返ります。ときに長めに休んだり、ときに出社する頻度を減らしたりと、働き方を柔軟に変更してきたそうです。

 さて、長めのお休みのことをアキレスさんは「キャリアブレーク(キャリアの休憩)」と呼びます。

 アキレスさんが初めてのキャリアブレークを取ったのは、大学卒業後、初めての勤務先だった富士ゼロックスに入社した4年後のこと。当時、8歳と5歳だった娘の育児に力を入れたいと感じ、自宅でできる仕事を増やしたいと考えたからでした。

 「私の母は献身的に育児をサポートしてくれました。ただ、日米バイカルチャー環境での育児はけっこう大変で、私自身がもっと関わる必要性を痛感していました」

 職場に事情を説明して退社したアキレスさんでしたが、異文化間コミュニケーションを専門的に学んだ背景を持つ人事担当者はまだ珍しく、人材開発に関するさまざまなプロジェクトへの参加要請が舞い込んできました。「仕事量で言えば、前職時代とあまり変わりませんでしたが、自由度高く働くことができ、育児と両立できました」