在宅勤務が続き、「働く」と「休む」の線引きやリフレッシュが必要な今こそうまく休みを取り入れたい。ワーケーション、ブリージャー、サバティカル休暇など、企業の優れた事例をご紹介!

せっかくの休日でも仕事のことが頭から抜けず、上手にリフレッシュできないという人は多いのではないでしょうか。広告代理店に勤めながら、「リーマントラベラー」として世界を飛び回る東松寛文さんも、かつてはそんな悩みを持っていました。でも、旅行の楽しさを知ったことで人生が激変。その理由と、初心者でも旅を楽しむためのコツを聞きました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出自粛が続きますが、事態が収束したら、ぜひ極意を生かした旅を楽しんでみてください。

※新型コロナウイルス感染拡大を受け、日本政府は海外各国への「不要不急の渡航中止」または「渡航中止」を呼びかけています(2020年4月現在)。本記事は、感染拡大以前の取材内容を基に構成しています。

休みも「会社のため」だった

 大学卒業後、広告代理店に就職した東松さん。旅行の面白さに目覚める以前は「仕事中毒の日々でした」と振り返ります。

 「終電間際まで働くことが多かったですし、終業後には仕事先との飲み会が午前2~3時まで続くこともありました。ただ当時は、別の業界や企業に勤めている友人でも同じような働き方をしている人が多かった。だから、『社会人ってこういうものなんだろうな』という感覚でした。今思い返せば、『自分のため』というより『会社のため』に働くことが当たり前になっていましたね」

 「会社が一番大切」というマインドセットは、平日だけではなく休日の使い方にも影響。「休日は、あくまで翌週からきちんと働くためにあるもの」という意識が強かったことが原因で、アクティブに過ごす気持ちにはなれませんでした。それどころか、少しでも翌週のタスクを減らしてパフォーマンスを上げようと、休日にもかかわらずつい仕事をしてしまうことも多かったといいます。

海外旅行との出合い

 そんな東松さんの働き方と休み方を大きく変えたのが「海外旅行」との出合いです。2012年、北米のプロバスケットボールリーグNBAの、プレーオフを観戦できるチケットを手にしたことがきっかけでした。中学~高校時代までバスケットボール部に所属していた東松さんにとっては「夢のチケット」。しかし、海外旅行経験は少なかったこともあり、購入した時点では「本気で行くつもりはなかった」と話します。

 「宝物を手にしたような感覚で、実際に行くことができなくても満足だと思っていたんです。でも、だんだん『空席をつくってしまうのも良くないし、やっぱり行ってみようかな』という気持ちになってきました」

 当時は入社3年目で、所属部署では一番下の立場。ゴールデンウイークの連休に、1日だけ有給休暇を足したいと申し出るだけでも「すごく勇気が必要でした」と東松さん。「チケットを、お守りのようにスーツの懐に入れて上司へ話をしに行きました。もし途中で言葉が続けられなくなっても、チケットさえ目の前に差し出してしまえば何とか伝え切れるだろう、と考えたんです(笑)」

 そうして取得した休みは5日間。「アメリカへ行くにしては少々短いのでは?」と思われそうですが、十分に濃密な時間を楽しめたといいます。

 「バスケの試合観戦という明確な目的があったことは大きかったですが、何よりも驚いたのは、旅行で『越境』することが自分に与えた効果です。めちゃめちゃ心が回復するんですよ!

東松寛文(とうまつ・ひろふみ)/会社員・リーマントラベラー
東松寛文(とうまつ・ひろふみ)/会社員・リーマントラベラー
1987年生まれ。平日は広告代理店に勤務するかたわら、週末で世界中を旅する会社員。オンラインサロン「リーマントラベラーサロン」を主宰する。旅に目覚めた2012年以降、2020年3月までに、71の国・地域、157都市を制覇。
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