女性が活躍する組織を――。こんなことを言われたら? 「男性と同じ働き方をするの?」「子育て世代は優遇策があるよね?」疑問で頭がいっぱい! 私たちは、自らが活躍できる場を探し、見つけ、獲得していきます。制度や慣習なんてぶっとばせ! 私らしく活躍する方法を共に考えよう。

「女性活躍」という4文字にどんな印象を抱きますか? 「活躍できるのは男性と同じ条件で働ける人だけ」「子育て世代は重視されるが、自分たちは蚊帳の外」でしょうか? OECD(経済協力開発機構)東京センター所長の村上由美子さんに日本の女性活躍が進まない理由、そして今後の見通しについて教えてもらいました。

「活躍して」と言われても「割に合わない」

 女性活躍という言葉について、日経doors読者アンケートでは、あまりいいイメージを持っていない人がいるという実態がありました。「女性活躍にいいイメージを持っていない女性がいるのは、当然かもしれません」。村上さんはこう話します。

 「ここ数年、各企業は女性を積極的に活用しようと対策を練ってきたとはいえ、世界と比べ格段に遅れている。というのも、日本企業は長時間労働、年功序列、終身雇用などがベースになっていて、男性が働きやすい『おじさんOS』の組織になっているから。こんな状況で活躍しなさいと言われても、『割に合わない』と感じる女性は少なくないはずです」。

「世界では女性の活躍推進がものすごいスピードで進んでいます」と村上さん
「世界では女性の活躍推進がものすごいスピードで進んでいます」と村上さん

 日本政府は2003年に「2020年までに指導的な地位に占める女性の割合を30%にする」という目標を掲げ取り組んできました。この結果、「女性の就業率は上がってきたものの、日本の組織はまだ変わっていない」と言います。

 特に少ないのが、意思決定や経営の方向性を握るリーダー層の女性。「日本政府の2020年までに30%という目標には、全然追い付いていません。2017年の調査では上場企業における女性取締役の比率は5.3%。OECD加盟36カ国の中でもワースト2位。先進国で最低レベルです」