異動、転勤、事故、病気・・・・・・必ずしも想定通りに進むとは限らないのがキャリア人生。そんなときどう対応すればいいのでしょうか。さまざまな想定外に遭遇しながらも、それに屈せず、自分らしいキャリアを築いた女性をご紹介し、「自律的なキャリア」を築くための秘訣をお伝えします。

大学卒業後、新卒で大手菓子メーカーに就職するも企業体質が合わず、入社半年で退職した廣濱舞さん(26)。就職活動では大手企業の選考しか受けない「大手病」だったが、働き方を見つめ直し、ITベンチャーへ転職することに。「自分は働くことに向いていない」と自信を失っていたが、転職をして初めて「仕事の楽しさ」に気付いたと話す廣濱さん。早期離職という「想定外キャリア」をハンディにせず、転職を成功させたポイントや今後のビジョンについて聞いた。

フリーランス広報の廣濱舞さん
フリーランス広報の廣濱舞さん

就活では大手しか受けなかった

 2018年に明治大学商学部を卒業した廣濱舞さんは、新卒で大手菓子メーカーの総合職に就職した。就職活動では大手企業を中心に受けていたという。

 「商学部ということもあり、就活への熱意が高い同級生が多くいました。私も周囲の影響を受けた、いわゆる大手病でした。大手や知名度の高い企業を中心にエントリーして、最初に内定をもらった企業に就職しました」

 総合職の道を選んだのは、テレビや雑誌などのメディアに興味があり、「広報部に所属したい」という思いがあったから。ただ、新卒の従業員は一律で1年間、北関東にある製菓工場で研修を受けるという会社のルールがあった。

 「入社前に、1年目は工場勤務だと聞いていました。ただ、こんなに大変だとは思わなくて……。朝3時50分に起きて、帰宅するのが夜10時を過ぎるハードな日々が始まりました