「『結婚できない』ではなく、『結婚しない』なんです」――doorsのファンミーティングで読者から「ぜひ特集してほしい」と強いリクエストがあったテーマ。「結婚しない」人生には何が起きる? どんな準備をすればいい? 専門家や実例、先輩の声をもとに、「結婚しない」のメリット・デメリットを探る。

 編集部では、doors世代の3人の本音座談会を開催。座談会の様子を紹介した上編「私たちが『あえて結婚したくない』と言う本当の理由」では、結婚しない人生を選んだきっかけや理想の生き方まで、具体的なエピソードと共に本音を語ってもらった。

【上】 私たちが「あえて結婚したくない」と言う本当の理由
【下】 「結婚しない人生」の不安と現実 専門家が解説 ←今回はここ

 下編では引き続き、結婚しない人生を選ぶことへの周囲の反応や違和感などについて語る座談会の様子と、「草食系」を世間に広めたマーケティング・世代・トレンド評論家の牛窪恵さんによる、doors世代の結婚しない人生の選択について分析をお届けする。

座談会参加メンバーのプロフィール


写真左上から時計回りに

Hさん(24歳、広告/営業、一人暮らし、パートナー…いる)
結婚したくない理由は? 「パートナーと家事でもめたくない。家庭に縛られず自由でいたい」

Yさん(30歳、IT企業、実家暮らし、パートナー…いない)
結婚したくない理由は? 「他人と生活するのがストレスフル」

Sさん(37歳、不動産、実家暮らし、パートナー…いる)
結婚したくない理由は? 「男性に頼らない生き方がしたい」

結婚しない=変わっている?

編集部(以下、――) 上編「私たちが『あえて結婚したくない』と言う本当の理由」では、「結婚しない人生はマイノリティーとされている」というSさんの言葉もありましたが、「結婚しない人生」に対して、周囲の反応はいかがですか。

Yさん 「ただ、結婚していない」だけなのに、「結婚できない」と表現されることはありますよね。「できない」という言葉の威力って大きい。強いレッテルを貼られている感じがします。「できない」じゃなくて「しない」というのが正しい感覚なんですけど、周囲のそういう言葉のチョイスに違和感が抱くことはありますよ。

Sさん もともと、うちの会社は、結婚したら辞めるという社風でした。10年くらい前から、段階的に女性の働き方が変わってきました。第1段階では、結婚後も女性が仕事を続けられるようになりました。でも、子どもができたら仕事を辞める人がほとんど。第2段階では、子どもができても、産育休を取得しやすい風土に変わりました。それでも、結婚・出産を経て、バリバリと働き続けている先輩がほとんどいないんです。残っている女性は、結婚していない人ばかりです。

 これは私の個人的な感想ですが、性格が個性的な人のほうが、結婚していないように感じます。周囲からも「ちょっと変わり者」だと見られているのかも。なぜなら、私自身も「ちょっと変わってるんだな」と思ってしまうから。

―― Sさん自身は、「結婚しない人生」を選んでいますが、周囲から「変わっている」と言われたことがあるんですか?