コロナ禍でできなくなったこともたくさんあるけど、オンラインで海外の情報を得たり、海外にいる人とつながったりしやすくなって、海外との距離が近づいたと感じる人も多いのでは? 今回は、グローバルな学びの一つとして、YouTubeが6月7日に生配信を企画している「オンライン卒業式」について紹介。日本のマスコミで働いた後、ハーバード・ケネディスクール(大学院)へ留学、現在は米国の国際NGOで働いている大倉瑶子さんが、米国大学の卒業式の名物、過去の著名人スピーチの名言も、英文・和文両方で解説してくれました。英語スピーチの名言は、英語学習にもなります。

米国の卒業式の目玉は、歴史に残る著名人スピーチ

 「Commencement」――米国では卒業式のことをこう呼ぶ。「始まり」を意味する言葉だ。

 卒業式は、新たな人生のステージを迎える学生たちを祝福するイベント。そして、米国の卒業式の「目玉」の一つは、ゲストとして呼ばれる著名人のスピーチだろう。米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズが、2005年にスタンフォード大学で届けたスピーチは、これまでYouTubeで3400万回以上再生されている。

 しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で米国の卒業式、イベントは軒並み中止。俳優、経営者、政治家などのさまざまな著名人が自身の人生経験を語りながらインスピレーションを与える、例年のスピーチはないのかと思いきや……YouTubeが豪華ゲスト勢ぞろいのオンライン卒業式を企画するなど、見逃せない動きも出てきた。

 世界中の誰もが、将来への不安を持つ日々。新型コロナウイルスの影響は平等でなく、既に存在していた格差を助長している。米国では、特に黒人への新型コロナウイルスの深刻な影響が明らかになる中、白人警察官に取り押さえられた黒人男性のジョージ・フロイドさんが死亡する事件が起き、抗議デモが広がっている。

 今は、仕事との向き合い方や社会への貢献の仕方について、考える機会でもある。次ページから、ハーバード大やスタンフォード大の卒業式で行われた、歴史に残る名スピーチの一部を、英文と和訳の両方で紹介する。英語学習にもなる、コロナ禍を生き抜く私たちに役立つ、言葉の力を感じてほしい。最終ページでは、6月7日に開催予定の生配信・オンライン卒業式についても紹介する。

英語学習にもなる、過去の著名人スピーチ名言を紹介。6月7日(日本時間午前4時)には、オバマ夫妻などが登壇するオンライン卒業式が生配信される 写真/アフロ
英語学習にもなる、過去の著名人スピーチ名言を紹介。6月7日(日本時間午前4時)には、オバマ夫妻などが登壇するオンライン卒業式が生配信される 写真/アフロ