コロナ禍で生き方や働き方が問われる今、必要なのは多様性。ジェンダーフラットな実例から、組織や個人の多様性の在り方を探る企画。日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト発足記念特集。
コロナ禍で、先が読みにくい状況になり、固定観念にとらわれない、ジェンダーギャップ解消の必要性を強く感じた」――。これは、doors世代の読者の声だ。日経xwomanが2020年3月から実施している「ジェンダーギャップに関するアンケート」には、1500を超える回答が集まった。リアルな経験エピソードや現状への不満だけでなく、ジェンダーギャップを解消するために必要なこと、社会や組織への提言も多く寄せられた。

(上)読者1500人の声「ジェンダーギャップはまだある!」
(下)コロナ禍で感じた多様性の大切さ 私たちにできること ←今回はここ

 ある読者からは「男性政治家と同じ数だけ、女性政治家が必要」という声もあった。新型コロナウイルスの感染拡大で、多様性が必要だと意識した人の中には、日本の政治におけるジェンダーギャップを感じたという人もいる。

◆STAY HOMEで自宅でテレビを見ていると、政治に関わる重要な決議の場にいるのが男性ばかりで本当にびっくりした。(33歳、正社員、主任/係長クラス、既婚・子どもなし)

◆女性が家庭内で家事育児を担うという前提で、多くの政策が進められているように感じる。(29歳、正社員、一般社員、独身・子どもなし)

◆今回の新型コロナウイルス対策も、シングルマザーやDV家庭、妊婦や共働き家庭など、女性の視点が置き去りになっていたように感じた。(23歳、正社員、一般社員、独身・子どもなし)

 一橋大学大学院教授でジェンダー研究を専門にしている佐藤文香さんも、「確かに、全国の小中高に臨時休校の要請がされたとき、あまりにも突然のことに困り果てた保護者はたくさんいました。中には仕事を辞めたり変えたりせざるを得なかった女性たちもいたでしょう。政策立案に携わるメンバーの中に、子どもを持つ女性が多数いたら、もう少し違ったかたちでスタートできたはず。政治の場に女性がどれだけ参画できるかは、今後の日本の大きな課題の一つでしょう」と話す。

 政治をはじめ、組織で、仕事の現場で、家庭で……どうすれば、私たちの日常に転がっているジェンダーギャップが解消できるのか。集まった読者からの提案を一挙に紹介する。

次ページから、これらの提案をしてくれた読者の生の声、一橋大学大学院教授の佐藤文香さんのアドバイスも紹介する
次ページから、これらの提案をしてくれた読者の生の声、一橋大学大学院教授の佐藤文香さんのアドバイスも紹介する

【アンケート概要】
日経xwoman ジェンダーギャップに関するアンケート
2020年3月26日~実施(現在も募集中)、2020年5月20日時点で、1613人が回答。回答者の70.3%が女性、29.1%が男性。うち、20~30代は569人。正社員が63.2%。回答はこちらから↓
「ジェンダーギャップ」に関するアンケート