「私、このままでいいのかな?」「ぼんやりとしか将来が描けない」――そう悩むのはとても自然なこと。この特集では、様々なキャリアを持つ著名人や等身大のdoors女性たちの「自分軸」の築き方をご紹介します。「自分軸」を生み出し、自分らしいキャリアを描きましょう!

「自分軸を探す」をキーワードに進めてきた本特集。第2回は6月に開幕する、FIFA女子ワールドカップフランス2019で2度目の世界一を目指す、なでしこジャパン(日本女子代表)の監督を務める高倉麻子さんに、20~30代の働く女性たちに寄せるメッセージを伺います。

「自分のやり方」は、自分で切り開くもの

なでしこジャパン監督の高倉麻子さん
なでしこジャパン監督の高倉麻子さん

 「いつも若い選手には『自分でうまくなれ』と言っています。私は現在、代表監督という立場にいますが、正直言うと、人に何かを『教える』という感覚がしっくりこないんです(笑)」(なでしこジャパン監督・高倉麻子さん)

 高倉さんのインタビューはこんな意外なフレーズから始まった。高倉さんはなぜそう感じるのだろう。

 「私は若いころから『こうしなさい』と誰かに言われるのが嫌で、自分自身もそうされずに育ってきました。当時の私には『自分は自分の足で立ち、自分の頭で考えて行動している』という自負がありましたが、今振り返ってみれば、周囲の支えや導きがありました。その結果、悔いのない競技人生を送ってこられたと思っていますし、自分のやり方は、そうやって切り開くものだという思いが根底にあります。だから、『誰かに怒られるから』とか『誰かに言われたから言う通りにしなくちゃ』という考え方にはものすごく違和感があります