「私、このままでいいのかな?」「ぼんやりとしか将来が描けない」――そう悩むのはとても自然なこと。この特集では、様々なキャリアを持つ著名人や等身大のdoors女性たちの「自分軸」の築き方をご紹介します。「自分軸」を生み出し、自分らしいキャリアを描きましょう!

 特集「自分軸」の前回記事では、目標に向かって進んで行く「山登り型キャリア」の城宝薫さんの事例を紹介しました。進むに当たり、「自分にとっての失敗を定義付けしたら、起業へ踏み出すことができた」という城宝さん。この事例に対して今回は、流れに乗ってキャリアを進む「川下り型キャリア」の井上佳央里さんを紹介します。

 井上さんは、全く異なる部署や分野でキャリアを積みながら、各部署の知見や実体験をつないでいきました。社内ベンチャー制度を利用して新事業を立ち上げ、現在はその事業会社の社長として活躍しています。

 川下り型キャリアのカギは、うまく流れに乗ることが大切とされており、かつ思い通りに流れるためにも自分の軸が求められます。ですが、井上さんは、最初から確固たる自分軸があったわけではなかったそう。どのような心持ちや、日々の心掛けが必要なのなのでしょうか。「自分軸」を築くためのマインドとは? ぜひ、山登り型キャリアの城宝さんの事例と併せて考えてみてください。

エキサイト入社8年目 最年少で子会社代表へ

 2012年に、インターネット情報サービスを手掛けるエキサイトへ入社した井上さん。これまで、ウーマンエキサイトなどの女性向けウェブメディアや、エキサイト翻訳、エキサイトブログなどでディレクション業務に携わってきた。ブログ事業では、CGM(Consumer Generated Media、口コミなど利用者の投稿で成立するメディア)の醍醐味を体験する。「一個人でも、発信することで読者を喜ばせたり、誰かの役に立てたりするのがCGMの魅力」と井上さんは話す。

 現在は、CGMには変わりないが、一般ユーザーがラジオの「配信者」になれる音声サービス「ラジオトーク」に携わっている。しかも、井上さんは、その事業会社を自ら立ち上げ、代表取締役を務める。

 ラジオトークは、誰もが簡単に自分の「ラジオ番組」を配信できるサービス。最長12分の音声コンテンツをスマホアプリを通じて配信できる。番組のテーマは「恋愛」「お笑い」「OLの一人語り」「映画鑑賞の感想」など、多岐にわたり、今や15万以上の配信が集まるサービスに成長した。

 人気の秘密を井上さんに聞くと、「大学の空き時間に友人と2人で配信する学生がいたり、仕事帰りに今日あったことを話す女性がいたり。さまざまなシチュエーションやシーンで配信できるのがポイント」という返事が返ってきた。

誰もが自分の「ラジオ番組」を配信できるラジオトーク。現在は15万以上の配信が集まるサービスへと成長した
誰もが自分の「ラジオ番組」を配信できるラジオトーク。現在は15万以上の配信が集まるサービスへと成長した

 井上さんがこのラジオトークのサービスを立ち上げたのは、エキサイトの「社内ベンチャー制度」を活用してのこと。複数の異なるメディアでのディレクションを経て、社内審査を通り、ラジオトークの事業展開へ、すなわちエキサイトの中でステップアップをし続けてキャリアを切り開いている「川下り型キャリア」を実現している。井上さんがどのように自分軸を定めてきたり、キャリアを描いてきたのか、ノウハウを次のページから詳しく見ていきたい。

注目は、小学生のときの実体験。今の仕事のベースとなる出来事だ
注目は、小学生のときの実体験。今の仕事のベースとなる出来事だ
井上さんの「自分軸」の築き方は、3ページ目で詳しくご紹介します。
井上さんの「自分軸」の築き方は、3ページ目で詳しくご紹介します。