勢いで突っ走れた20代をすぎ、30代は責任や役割が増え、突然キャリアの壁がそびえ立つ――。そんな誰しもが経験する30代の壁を乗り越えるにはどうすればいいのか。さまざまなロールモデルを提示し、解決策を探ります。

夫の海外赴任についていくも……

 ツイッターのフォロワーは7万人超え、著書も次々と出版し、今注目の恋愛・就活ライター、トイアンナさん。

 もともとは慶応大卒業後、新卒でP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)ジャパンに入社し、食器用洗剤や消臭スプレーなどのマーケターとして活躍後、LVMHウオッチ・ジュエリージャパンに転職し、同社でもマーケターとして実績を重ねていた。その後、マーケターからライターへと華麗なる転身を果たしたのかと思いきや、いくつもの壁にぶつかってきたという。トイアンナさんが向き合った壁と、その乗り越え方を教えてもらった。

 トイアンナさんが最初の壁にぶち当たったのは、順調にキャリアアップを続けていた27歳のとき。夫の英国への海外転勤が決まったのだ。

 「正社員でのキャリアアップのルートを断って夫についていくか、夫に単身赴任をしてもらうか。私の方が年収も高かったので、悩みに悩みました。最終的には会社員を辞めて、夫についていくことにしました」

 ただし、この「夫のために自分のキャリアを諦めた」という思いが、後を引くことになってしまう。それが夫との離婚の引き金にもなり、自分自身への自信も失ってしまうことにつながってしまったのだ。