「いつか転職するつもり」「目標は、転職市場で価値を上げること」――20~30代は、転職意欲が高い。その一方で、転職活動が一筋縄にいかないという人も少なくない。転職後に「思っていた仕事と違う」「なんか会社の雰囲気が合わない」……などの理由で、再び転職活動に繰り出す人も。なぜ、私たちの転職は、うまくいかないのか。成功と失敗の分かれ道は何なのか。「失敗例」に学ぶ!

転職面接の際に、企業から必ずといっていいほど聞かれる逆質問――「何か質問はありますか?」。入社後に「こんなはずじゃなかった」というギャップで悩まないためには、どのような質問を企業に返すといいのだろうか? 逆質問のチャンスを生かす方法を、キャリアの専門家たちに聞いた。

逆質問が採用に与える影響

 企業から「何か質問はありますか?」と聞かれたとき、「どんな質問をするとよい印象を与えられるのか」「『質問はありません』と答えるのは、アリなのかナシなのか……」と、逆質問がどれくらい採用に影響を与えるのか気になる人も多いはず。

 元人事の視点から、キャリアに関する情報をSNSなどで発信する樋熊晃規さん(SNSアカウント名:ただの元人事)は、「『逆質問の内容が素晴らしかったから採用になる』ということはまずないですが、質問を返さなければ減点の対象にはなり得ます」と語る。

 「企業が転職者に逆質問を投げかけるのは、たいてい面接の終盤です。つまり、既に他の質問を通して、通過か見送りかの判断がついている段階。そのため、逆質問の内容だけで評価が『見送り』から『通過』に180度変わることはないでしょう。

 しかし、『質問はありません』と答えるのは避けたほうがいいと思います。面接官からしてみれば、『うちの会社に興味がないんだな』という印象になり、マイナス要素となるからです」(ただの元人事・樋熊さん)

「質問ですか? あ、ありません」と言ったら、減点される可能性もある。では何をどうやって聞けばいいのか
「質問ですか? あ、ありません」と言ったら、減点される可能性もある。では何をどうやって聞けばいいのか

 また樋熊さんは、逆質問は「企業から情報を仕入れられる貴重な場」だと続ける。「転職してから『こんなはずじゃなかった』という後悔を生まないためにも、逆質問の機会をうまく利用しない手はありません」(ただの元人事・樋熊さん)

 では、具体的にはどのような質問をすればいいのだろうか。逆質問のポイントを解説しながら、具体的な質問例も紹介していく。

入社後の後悔を防ぐ「逆質問」のポイントとは?
入社後の後悔を防ぐ「逆質問」のポイントとは?
具体的な逆質問例も紹介
具体的な逆質問例も紹介